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(回答先: 武藤日銀副総裁:ペイオフ全面解禁は当然実施されるもの-講演 (ブルームバーグ) 投稿者 小耳 日時 2003 年 11 月 13 日 10:15:15)
少しはわかった上での発言だろうが、デフレ・スパイラルが続く限り、「金融システムはなお厳しい」状況を脱することはできない。
金融機関サイドから金融システムを見ても、金融機関や金融システムを“健全化”する方策は生み出することはできない。
デフレ状況下で、不良債権処理を進めるために金融機関が貸し出しで収益を増加させようとすれば利息負担で立ち行かない企業がじりじりと増大することなり、BISの自己資本比率規制をクリアしようと貸し剥がしや貸し渋りを行えば対象企業だけではなく他の企業の債権も不良化することになる。
金融機関サイドにとっては“良かれ”という政策が、回り回って金融機関の首を締めることになるのがデフレ状況である。
デフレ解消で日銀が果たせる機能は限られている。
まず、それを明確にし、国民的コンセンサスを得ることである。
理解が浅い経済学者は日銀単独で経済をコントロールできるように説明しているが、非デフレ&非自己資本比率規制下でインフレ率を制御できるだけで、デフレ&低自己資本比率状況でインフレへの転換を実現することはできない。
(国債の直接引き受けなど政府と日銀がつるめば可能)
日銀が現在できる機能は、金融機関の手元流動性を支えることと国債購入資金を供給して利鞘を稼がせることであり、おまけとして、輸出企業の利益を支えるための政府ドル買い介入に資金を提供することくらいである。
日銀が自己の機能では対応できない経済状況であることをきちんと認識する能力がないことや政府・政治家・経済学者がそれを認識できない能力であることが、長期デフレ不況の要因の一つである。
日銀は、我々ではなぜ対応できないかを論理的に明確に示し、「ギブアップ」宣言をしなければならない。
ペイオフという政治的問題を講演する時間なぞ投げ捨てて、その作業に傾注しなければならない。
そこから、新しい模索が始まる。