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(回答先: Re: 世界経済情勢 雑感 投稿者 岩住達郎 日時 2003 年 11 月 07 日 09:38:52)
私の拙い意見にご意見をいただき有り難うございます。
米国政府と日本政府どちらがいい加減かと比べると、いいとこ勝負ではないでしょうか?
アメリカ政府の統計数字は、中国や韓国の統計数字、ましてロシアの統計数字とくらべたら、まだまともな統計ではないでしょうか?日本において「大本営発表」の伝統はマスコミ、官僚に引き継がれ統計数字と、私たちの実感はかけ離れた数字が発表されています。
日本において、最近景気の復調を示す数値が昨年よりで出始めたが、個人的な実感は、全く別世界の感じであった。株価が日経平均1万円を越えた辺りから、最悪期は去った(当面)ように思えるが、自分が失業していないからなので、多くの失業者(構造改革という、均質社会打破政策の被害者)にとって景気回復の実感はまるでないことでしょう。
日本では、先の投稿で中央経済と地方経済、製造業と非製造業、大企業と中小企業の間に景況感に3っ角断層があり、景況感の共有は難しくなったことを指摘しましたが、更に、失業者と社畜サラリーマンの間、それに公務員や年金受給者など金銭的不安が無い層には大きな断層があり、統計数字の実感は大きく違うはずです。
さて、米国の発表する統計数字がデタラメはデタラメかもしれませんが、相対性理論と同じく、統計を観測者によって違って見えるのは日本と同じではないかと思うのです。
良しも悪しきもバブル前の日本は均質社会で、統計数字が正確に感じる社会であったと思います。今も日本は米国よりは、貧富の差が少ない社会です。建国以来自由競争社会の米国は貧富の差は元々激しいのは当たり前で、統計数字の誤差が大きく、デタラメに感じるのとは意味が違いますか?
先生は、日米は運命共同体で、まもなく破滅的な破綻が訪れるとの予測ですが、私も概ね同感です。ただ私は回避できる可能性も信じています。もう一つ破綻後の回復は製造業が元気な日本の方が早いとの予測ですが、日本は宗教がなく、地域共同体も崩壊し、所属すべき最後の共同体の「カイシャ」も崩壊してしまうと、はたして日本は宗教国家の米国より先に回復できるように思えない。今でも日本は充分アノミー状態ですが、回復しかけた日本が次に煉獄に突き落とされるとしたら、ソビエト崩壊直後のロシア社会に近いアノミー(規範の崩壊)状態になるにちがいない。
日本の残された共同体の「カイシャ」ですが、もはや共同体のしての機能が消失しています。終身雇用、年功序列がなくなった時点で共同体は共同体でなくなり、「カイシャ」は単なる労働契約先の単なる会社になっています。それでも失業していない私ども社畜は、以前にもまして失業しないよう、奴隷労働に励んでいます。
私の勤める某社も、事業遂行において付随して発生するリスクを会社が負うのでなく、コンプライアンスの徹底という建て前で、リスクを社員に押し付けています。またこれを社畜どもは盲従するばかりです。余裕がまるでない、社会で、少しでも気を抜くと、そのロスを補う為に切迫した時間を随分と費やさなくてはならなくなります。
ちなみに社畜の私は、部署が替る事になり、こうやって呑気に投稿できることが、来月以降はたしてできるかどうかわかりません。
また、話がそれはじめましたが、日本と米国どちらが立ち直るかかというと、米国の方が早いと思うのは、米国の方が日本よりデモクラシー国家であるという点です。
明日の選挙の投票率も気になるところですが、政治的無関心が蔓延している日本には、デモクラシーの精神が著しく欠如しています。責任のすべてはお上である国家が負い、国民自身に自分の権利義務意識が希薄です。権利を主張できず義務すらはたさない、多くの日本人はお上頼みの体質になってしまっています。次に更に大きな破滅が日本に降りかかった時、はたして日本は米国より先に回復できるか疑問に思います。
最後に矛盾しますが、それでも私は日本人および日本列島に住む人間は、世界でも最も優秀なグループの一つであると先生と同じく信じています。