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2004年1月4日(日)
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六ケ所再処理工場トラブル頻発で事業計画遅れ必死
昨年十月末から十二月上旬にかけ、日本原燃の六ケ所再処理工場で発生した三件のトラブルで、原燃が苦境に立たされている。県は、度重なる厳重注意にもかかわらず、原燃が短期間に集中してトラブルを起こしたことで態度を硬化。同工場のウラン試験に関する安全協定の締結など、原燃の事業進展に必要な手続きを引き続き棚上げする姿勢を強めている。原燃は早急に県の信頼を取り戻すための具体策を見いだしておらず、事業の遅れは避けられない情勢だ。
同工場では昨年十月三十日と十二月八日、いずれも使用済み核燃料受け入れ貯蔵施設で溶接作業中に作業用シートを焼く火災が相次いで発生した。また、十二月六日には同施設の貯蔵プールの冷却水循環用ポンプが停止するトラブルも発生した。
十月の火災で原燃が県に第一報を伝えたのは発生から約五十分後。県は火災で放射能漏れなどが発生した場合、原燃の連絡遅れは生命の危険に直結する−として、三村申吾知事名の文書で原燃を厳重注意した。
しかし、原燃は約一カ月後のポンプ停止事故でも発生から二時間後に初めて県へ連絡した。蝦名武副知事はポンプ停止の翌日、県庁に原燃の松本保男副社長を呼び、口頭で厳しく注意した。にもかかわらず、翌八日にはまたも火災が発生した。
原燃は同貯蔵施設で発覚した大量の不良施工をめぐり、補修と品質保証体制の総点検作業に取り組んでいる。両作業は一月中に終了し、原燃は引き続き同月中にウラン試験を実施したい考え。しかし、県はウラン試験前に原燃に安全協定の締結を求める方針で、一月中のウラン試験開始は事実上困難となっている。
県は、原燃が二〇〇一年八月に申し入れたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料工場の立地協力についても態度を保留している。原燃の計画では〇四年四月着工を予定しているが、日程的に難しい状況だ。
県は「貯蔵施設の健全性および品質保証体制の改善確認が最優先」と、不良施工問題が決着しない限りは原燃の事業進展を認めない考えを打ち出していた。蝦名副知事は「最新技術を持つ再処理工場で基本ができていないのであれば、われわれはなかなか原燃を信用できない」と話し、不良施工発覚に続くトラブルの頻発で、県の原燃への対応が一層厳しくなることをほのめかす。
十二月十一日、原燃の佐々木正社長がトラブルと連絡遅れの頻発を謝罪するため知事を訪ねた。知事は、ポンプ停止事故では知事以下関係職員が直ちに出勤する準備をしたことを明らかにした上で「原燃はトラブルが起きれば県庁に来て謝ればいい−という考え。役員が並んではあ、はあ言うだけだ」と、原燃の姿勢を厳しく批判。「県民全体を軽んじている」と声を荒らげた。
県の信頼を失なったことについて佐々木社長は十二月二十四日の記者会見で「事業の進展をめぐり県など行政当局にお願いし、県民の理解を得なければならないことは多い。全力で信頼を回復したい」と述べた。
しかし、社内からは「県の信頼を取り戻すにはトラブルを起こさないのが一番だが、どんな微細なトラブルも一切起こさないことは不可能。トラブルを減らす努力を地道に続ける以外、方法はない」との声も出ている。(政経部・若松清巳)
http://www.toonippo.co.jp/kikaku/kakunen/new2004/0104.html