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(回答先: 貨幣を支え、貨幣以前に問われるべきもの? [あっしらさんへ] 投稿者 マルハナバチ 日時 2003 年 12 月 18 日 00:15:18)
マルハナバチさん、こんにちわ。
まず、「生活設計」は手垢にまみれた用語になってしまっているので、「活動の設計」もしくは「協働活動の設計」にしていただければ幸いです。
あまり先走りしたくありませんが、「協働活動の設計」がうまくいけば、「開かれた地域共同体」における交換手段である“活動証書”の無用の長物に化すと考えています。
(協働は、社会的分業とは違って、本来、交換性を含まない概念です)
マルハナバチさん:「このような問いを出すのは、イラクの通貨ディナールが侵略によって崩壊した過程を見ていたからです。
今後経済体制が変動する時は、国の貨幣そのものがいったん失効するほどの条件変化が、地球上に起きている可能性もあるでしょう、そのような変動を見込んだ中から効力ある貨幣の再生を見通さなければならないのではないかと想っています。」
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イラクの通貨ディナールが崩壊的様相を見せたのは、一義的には生産活動の停止であり、二義的には貨幣流通の遮断によるものです。
米英の侵攻が予定され遂行されていたのですから、お金を持っているイラク国民は、食糧とともに手元に貨幣を確保していたはずです。
しかし、米英軍による破壊と殺戮が行われ、政府の逃亡により無政府状態になったことで、国営企業が中心である産業活動(石油関連事業を含む)がおかしくなり、輸送システムもおかしくなったため、お金があってもものが買えない状況になり、インフレが昂進しました。
インフレは、米英など駐留外国軍部隊が資材などを買うことでも昂進しています。
(外国軍部隊とイラク国民が少ないものを奪い合っているという構図です)
二義的要因である貨幣流通の遮断は、軍隊や公的機関で働いていた人たちが給与を受けられなくなったことを主たる要因として起きています。
これは、インフレとは逆の価格変動をもたらすものですが、個々人(個々の家族)にしてみれば、物価が激しく上昇しているのにお金がほとんど入ってこないという生活破壊を意味します。
マクロのインフレとミクロ(家計)の収入途絶が同時並行的に進行することで、イラクの経済は困難を極めています。
この問題は、貨幣の力で解消できるものではなく、生産活動の増強と多数派の家計収入安定化で解消できるものです。
端的には、原油資源とメソポタミアの農業生産力を基礎に、国内で手に入らない罪を原油輸出代金で輸入し、国営企業の生産を国民生活の需要を満たすまで回復させ、就労(稼ぐ)機会がない人たちを家族の生活維持を優先して雇用することで解消できるものです。
イラク通貨ディナールの力(価値)が減衰したのは、貨幣そのもののせいではなく、人々の活動が減衰し、人々の活動の交換をつなぐネットワークが脆弱になったせいなのです。
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