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(回答先: Re: 「2050年前後にはアメリカ帝国は存在しない」(『株式日記と経済展望』より) 投稿者 一汁一菜 日時 2003 年 12 月 15 日 19:51:03)
全文を読ませていただきました。
その上で自分の意見を書かせてもらいます。
「アメリカは日本に見捨てられれば崩壊する運命にある」
という一文がありますが、これは、
「日本はアメリカに見捨てられれば崩壊する運命にある」
という事でもあります。
日本は、アメリカへの大量輸出による貿易黒字で今の経済大国としての地位をつかんだのであり、
アメリカ亡きあと、経済的に確実に落ちぶれるだろう日本は、
中国・ロシアという大国に押され、貧乏国家に成り下がるものと思われます。
自分は常日頃、今の日本の平和、富を謳歌する日本人が米国を非難する様は
異様だと思っています。
米国を非難するという事は、日本の経済大国としての優越感を捨てる事に相成りません。
日本という小国が、アジア、世界での地位を確保できるのは、
何よりその経済力にありますし、日本に生きる以上、
日本人は皆その恩恵をさずかっています。
好きな物を買い、好きな場所に出かけ、食べたい物は食べ、
海外にでかければ客商売の人間などにちやほやされ、
それも全て、日本が経済大国として富を携えているからに他なりません。
極論、アメリカを支持しないという事は、
日本が経済大国としての優越感を捨て、貧乏国家に成り下がる事も憂えないという事になります。
アメリカの子分でいなければ日本はアジアでの経済大国の座を中国に奪われるとともに、
今度は中国の子分として生きる事になります。
日本という国はあくまで小国であり、大国に依存しなければ今のような繁栄はなく、
今の日本人の持つ富は捨てる事になります。
戦争のない平和な世の中を望むには、富に対する自制も必ず必要になります。
「複数の大国が均衡を保って共存する複合的なシステム」
とは、「富を公平に分配した世界」ともいえます。
(複数の大国が均衡させるには富が一国に集中していてはムリです。)
果たして、欲望たかき人間(より豊かな生活を求め続ける人間)に、
富の公平な分配、富の譲り合いなど可能でありましょうか。(答えはノーです。)
自衛隊派遣の反対デモを行う日本人の中に、
経済大国としての地位を捨てて慎ましい生活になっても平和を望むという
真の平和人(へいわびと)が何人おるでしょうか。
豊かな生活をするという事は、それだけ他国から搾取を行っているのです。
日本が世界における経済的地位が低迷し貧乏国家になればすぐさま不平を言うような、
いわば「何でもほしがる子供」のような似非平和人が大半じゃないでしょうか。
あなたが支持するエマニュエル・トッド氏ですが、彼は日本人じゃないですし、
自国(およびEU)にとって都合が良い論評しかしていないと自分などには思われてなりません。
エマニュエル・トッド氏が日本人であった時、果たして同じ意見を唱えたでしょうか。
彼の考えはEUを中心に据えた考えであり、聞き心地の良い事を言いながらも
なんだかんだでEUにとっては悪くない、ある種打算的な側面が見え隠れします。
「打算的な側面」が悪いとは言いません。
それは人間の本質および国家の本質でもあるからです。
常に人間同士、国家同士では競争があり、オモテ向きにはにこやかな対応をしつつ、
裏では(イス取りゲームでいうとこの)イスを手に入れるため、他人を蹴倒し、
何食わぬ顔で富、名声を享受します。
人間は神様じゃないため、そうした二面性が必ずあるものなのです。
平和を願いながらもしっかり富を享受するのは
まさに「いいとこどり」だと自分は考えます。
そのいいとこどりをしている国家が日本です。
平和とお金の両方が手に入ればだれも文句を言う人いませんが、
それは理想にすぎず、現実はもっとシビアなものです。
書くときりがないのでここらで区切りますが、自分はそんなふうに考えています。
正直、自分も、いいとこどりができるならそれが一番ラクだし理想的だと思うけど、
現実的に考えてそれはちょっと調子良すぎだし、
自衛隊の派遣はやむをえないと思います。
日本人の今の裕福な生活を守るために派遣されるようなものだし、
もし本当に派遣される時は自衛隊のイラク貢献に期待したいです。