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★阿修羅♪
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武士道というものは、時代や人によってだいぶ内容が違うものだと思います。そのことは、
平安時代と鎌倉時代と戦国時代と江戸時代の武士の価値観・あり方を比較してみるだけでもす
ぐに納得できると思います。しかし、全体を通じてそこにはプライドと美意識に支えられた、
戦闘や殺人や戦死を辞さない精神的態度というようなものが共通して感じられます。
そして、その傾向は確かに終戦までの近代日本社会でも見られたことでした。その意味で旧
日本軍は武士道の伝統を継ぐ組織であり、大日本帝国の行動原理には武士道的なものがあると
いうことは言えると思います。しかし、その武士道とか日本社会の伝統である天皇制が、戦前
の日本の「侵略的」対外政策の原動力であったとする考え方は、社会や文明というものに対す
る浅薄な認識・判断であり、また歴史的に公平性を欠いた見方だと思います。
例えば明治維新のころに富国強兵策をとらなかったら、日本は欧米・ロシアの植民地にされ
ていたでしょう。日本のアジア進出とか戦争は、帝国主義全盛の当時の国際環境が前提条件に
あるということは何度もあなたに言ってきたことです。
冷戦下でも現在でも、国としての武力やその行使がなければ、国家は国民の生命・財産・自
由を守るという基本的な役割を果たすことができません。
北朝鮮による日本人拉致問題には、日本政府が国家としての機能をおろそかにしてきたとい
う側面があります。日本政府がアメリカの一機関ではなく独立した権力として存在し、日本社
会が自分たちのあり方や進む方向を自己決定する根本的な「主権」を維持していくためには、
北朝鮮問題を日本社会としての自前の武力と独自の判断と責任によって解決を図らなければな
らないのです。
経済制裁を行うにしても、日本社会（形式的には日本政府）の独自の判断と責任でそれを行
うべきであって、アメリカの承認や判断のもとで行うべきではありません。こんなことは、本
来言うまでもない当たり前のことなのですが、属国日本では当たり前ではありません。
結局、私が日本は独自の軍事力を整備・強化するべきだと言っているのは、日本が独立国と
して存続していくために必要なことだからです。これは日本文明とか日本人の精神が、自律的
で現実的なものに戻るためにも重要なことなのです。
自然農法やら狩猟採取経済やらを機軸に日本社会・文明を再構成しようとしても、それで日
本が他国・他文明に占領支配されずに独立国として存続するための可能性が見えてこないので
す。
そもそも、狩猟採取生活やら自然農法やらだけが文明として正しいもので、日本人が皆それ
に従わなければならないという理由が私にははっきりしません。
私にとっては７世紀以降の日本も日本なのです。終戦後の日本は日本ではありません。日本
人個々人にとってそのへんの評価判断は異なっています。しかし、古来から日本には色々な時
代があり、色々な文明があり、色々な職業・階層の人々が生きてきたという事実には変わりが
ありません。農民・武士等も、縄文人・弥生人等も、皆日本人として日本文明の要素を構成し
てきたのです。どれか一つだけが日本だということはありません。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。