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大詰めを迎えた日朝交渉   − 平沢代議士らと北朝鮮政府高官の接触劇を読む −
http://www.asyura2.com/0311/dispute15/msg/1174.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 12 月 28 日 04:44:44:Mo7ApAlflbQ6s
 


阿修羅には転載がなかったようだが、平沢勝栄代議士(自民党)・松原仁代議士(民主党)・「救う会」全国協議会のメンバーが、中国で北朝鮮政府高官と接触したことが報じられている。(末尾に関連記事転載)

この情報は、ちょうど視聴していた24日昼のテレビ朝日「ワイドスクランブル」に出演していた平沢勝栄代議士が川村コメンテーターに水を向けられてその事実を認めたことが公表の発端だったはずだ。
番組のなかで北朝鮮高官との接触が語られる前までの平沢代議士は、拉致被害者子息の写真やビデオテープを持ち帰る活動をしているNGOレインボーブリッジの小坂氏を「日本政府とは別に拉致問題で北朝鮮と接触する者は北朝鮮のエージェントだ」(趣旨)と批判していたので、“おいおい、じゃああんたも北朝鮮のエージェントだ”と突っ込みを入れたくなるような話として受け止めた。

福田官房長官も「(平沢氏らと北朝鮮高官の接触は)事後的に聞いているが、政府が中心になってきちんとしたルートでやるのが本筋だ」と記者会見で語っているのだから、デタラメな突っ込みとは言えず、平沢代議士は、小坂氏に謝罪するか自分も北朝鮮のエージェントであることを認めるかしなければならないだろう。

前ぶりはここまでにして、今回の平沢代議士らと北朝鮮高官の接触がどのような意味を持っているかを考えてみたい。

結論的に言えば、拉致問題がネックになっている日朝交渉を終結させることで、日朝交渉終結待ちになっている“米朝問題”(6カ国協議)をも解決するための仕掛けだと見ている。

北朝鮮の核兵器開発及びミサイル輸出をやめさせることが米国の目的であり、その代償として不可侵保証と経済援助を手に入れることが北朝鮮の目的である。
この“米朝問題”のネックになっているのが、北朝鮮に経済援助を行うことになっている日本が拉致問題のためにそれを履行できない状況にあることである。
北朝鮮はやめるだけ、米国は文書を出すだけの立場であり、“米朝問題”における最大のキー国家は、1兆5千億円とも言われる対北朝鮮経済援助を担当する日本なのである。

これについては、『小泉首相はなぜこの時期に解散・総選挙を選択したか 【大惨敗した社民党の轍を避けるためである】』( http://www.asyura2.com/0311/senkyo1/msg/550.html )を参照していただきたい。


今回の日朝接触は、福田官房長官の「事後的に聞いているが、政府が中心になってきちんとしたルートでやるのが本筋だ」という言に反して、政府・外務省が北朝鮮と交渉して段取りを組んだ“公式”の接触だと見るのが妥当であろう。

北朝鮮筋が日本国内で非公式に対北朝鮮強硬派である平沢代議士や「救う会」に接触することはあるかもしれないとしても、北朝鮮政府高官(鄭泰和・日朝交渉担当大使)と中国で会談するという段取りをつけるのは非公式では無理である。
外務省がお膳立てをし、政府首脳が平沢氏を説得して訪中させたと見るのが素直である。


今回の日朝接触の狙いを推測すると、

● 対北朝鮮強硬派政治勢力である「拉致議連」と「救う会」の懐柔

「拉致議連」と「救う会」が対北朝鮮で強硬な政策を主張している代表的政治勢力である。
とりわけ、「拉致議連」は与野党国会議員多数を擁する大きな政治力であり、政府・外務省が従来の拉致問題解決方針から“後退”した政策を勝手に採ろうとすれば、大きな反発を示すはずである。

今回の日朝接触は、「拉致議連」と「救う会」に北朝鮮高官と会談させることで、拉致問題解決で主要な役割を担ったと自負できるようにするとともに、北朝鮮も話が通じない相手ではないことを実体験させるのが目的だと思っている。

「拉致議連」と「救う会」が主張した内容を北朝鮮が少しでも受け入れそれが拉致問題解決につながれば、拉致議連と「救う会」も鼻高々になれるはずだ。

そして、政府は、拉致議連と「救う会」が関与した解決方法に乗って政策を転換したかたちにすれば、対北朝鮮強硬派である彼らから強い反対や反発を受けずにことを進められるという大きな政治的メリットを得ることができる。


● 拉致問題解決方法の反応を見るための観測気球

もう一つの狙いは、政府・外務省と北朝鮮政府のあいだで事前に合意を見ているはずの解決方法を報道を通じて示すことで、メディア(国民世論)の反応を見ることである。

平沢氏が「被害者を連れていけば、家族を確実に帰すのか」と確認を求めたら、大使らは「わが国は個人の意思を尊重する。本人が嫌だと言えば、難しいかもしれない」と答えたと報じられ、さらには、北朝鮮高官が拉致被害者5人について「家族を平壌まで迎えに行ったら帰国できなくなると疑うなら、金正日総書記の一筆で(5人の帰国を)保証することが可能だ」と述べたことまで報じられている。

要は、拉致被害者5人は約束通りいったんピョンヤンに戻る、しかし、それは日本政府高官同行でよくしかも空港までで入国手続きは不要、そして、そこで北朝鮮にいる子息らと会って話し合ってみんなで一緒に日本に帰るのかあるものは北朝鮮に残るのかを決めればいい、北朝鮮はキム総書記の名誉にかけてその決定を遵守するというものである。


※ 参照書き込み

『5人の拉致被害者の帰国問題で日朝が合意文書を交換していた  [TV朝日「朝まで生テレビ」]』
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/102.html


日本政府・外務省は、現段階で北朝鮮政府と合意している解決方法を平沢代議士らを北朝鮮高官に会わせることでそれを世間に公表する機会をつくり、その反応を見るつもりなのだろう。


北朝鮮が次回の6カ国協議の早期開催に合意したという報道をされていることから、日朝交渉は、拉致問題を平沢代議士に説明にさせた内容に沿って解決することで終結する可能性が高いと予測する。

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★ 関連新聞記事

平沢議員ら、北京で北朝鮮高官と接触 [読売新聞]


 自民党の平沢勝栄衆院議員は24日、読売新聞の取材に応じ、今月20、21の両日、中国国内で北朝鮮の政府高官と接触したことを明らかにした。

 平沢氏によると、日本側からは民主党の松原仁衆院議員、北朝鮮による拉致被害者の支援組織「救う会」全国協議会のメンバーらが参加。北朝鮮側は「政府高官」ら5人が出席したという。

 平沢氏らは、〈1〉拉致問題の解決は非政府間機関(NGO)ではなく、外務省を通じた正規の外交ルートで行う〈2〉拉致被害者5人の家族の早期帰国を実現する――などを要請した。これに対し、北朝鮮側からは明確な回答はなかったという。関係者によると会談場所は北京で、北朝鮮側は、被害者家族の帰国条件を提示したという。

 これに関連して外務省の高島肇久外務報道官は24日の記者会見で、「事後に、そういうことがあったということは聞いている」としたうえで、「北朝鮮が話し合いをしたいという意思を示してくれるのであれば、話し合いをしたい。ボールは向こう(北朝鮮側)に行っているという認識だ」と述べた。

(2003/12/25/03:02 読売新聞 無断転載禁止)


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20031225it01.htm


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拉致被害者家族帰国、北朝鮮大使「本人迎えに来れば」 [読売新聞]

 政府関係者は25日、自民党の平沢勝栄衆院議員らが今月20、21両日、中国・北京で北朝鮮の鄭泰和・日朝交渉担当大使らと会談した際、北朝鮮側が拉致被害者の家族の日本への帰国について「(被害者)本人が平壌空港に出迎えに来れば、(家族を帰国させても)いい」と提案していたことを明らかにした。

 政府関係者によると、会談は3回にわたり、行われた。平沢氏が「被害者を連れていけば、家族を確実に帰すのか」と確認を求めたたところ、大使らは「わが国は個人の意思を尊重する。本人が嫌だと言えば、難しいかもしれない」と答えたという。

 小泉首相は25日昼、首相官邸で記者団に「(北朝鮮が)正式にそういう気持ちだったら、外務省に連絡があると思う」と述べた。福田官房長官は同日午前の記者会見で、「(平沢氏らと北朝鮮高官の接触は)事後的に聞いているが、政府が中心になってきちんとしたルートでやるのが本筋だ」と語った。

(2003/12/25/13:13 読売新聞 無断転載禁止)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20031225i105.htm


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北朝鮮「総書記の一筆で拉致被害者5人の帰国保証」 [読売新聞]


 自民党の平沢勝栄衆院議員は27日、フジテレビの報道番組で、中国で北朝鮮高官と接触した際、北朝鮮側が日本に帰国した拉致被害者5人について「家族を平壌まで迎えに行ったら帰国できなくなると疑うなら、金正日総書記の一筆で(5人の帰国を)保証することが可能だ」と述べたことを明らかにした。

(2003/12/27/23:29 読売新聞 無断転載禁止)

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20031227ia28.htm

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北朝鮮、次回6カ国協議の早期開催に合意 [ロイター]

 [北京 27日 ロイター] 中国の王毅外務次官は27日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、同国の核問題をめぐる次回6カ国協議の開催に合意したことを明らかにした。
 ただ、具体的な開催日時は未定という。

 平壌での2日間の協議を終えた同次官は、北京空港でロイター・テレビのインタビューに対し「北朝鮮は来年初頭に6者協議を開催することに合意した」と述べた。

 また、「さらに準備をする必要がある。具体的な開催日時に関しては、6カ国で協議しなければならない」との見解を示した。

 国営報道機関は、同次官が25、26日の2日間、北朝鮮の代表らと会見したと報じた。


http://www.reuters.co.jp/news_article.jhtml;jsessionid=3FDESB5HUEJQMCRBAEOCFEY?type=topnews&StoryID=4048133

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