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(回答先: 政府のスポークスマンを演じる記者、毎日新聞の岸井成格【新聞“界“は自衛隊イラク派遣の支持を決断した】 投稿者 なるほど 日時 2003 年 12 月 29 日 03:13:44)
黒田清「批判ができない新聞」
2003年07月22日
日本との対話:不服の諸相 ロナルド・ドーア編 岩波書店 94年
黒田清
「(p.298〜 批判ができない新聞)日本のメディアは(中略)本来は現実
批判がもとにあったと思うんですが、気がついたら、批判できないよう
になっている。非常に大きいのは、政治についての批判がぎりぎりのと
ころでできなくなったことです。不幸なことに高度成長で日本の新聞社
は読者も増える、ページ数も増えるなど、いろいろなことで社屋を大き
くしなければならなくなって、特に東京で社屋の土地が無かったから、
自民党に頼んで国有地を安く売ってもらった。読売、朝日、毎日、産
経、みんなそうです。とても大きな借りを作ってしまった。だから新聞
記者が一生懸命何かを書こうと思っても、中枢のところで握手をしてい
ますから、突破できない。もう一つは、日本の新聞社の経営は、自己資
金が少ない。たとえば朝日や読売にしても、資本金は一億か一億五千
万、いま増資して三億とか五億とか、せいぜいその程度でしょう。そし
て銀行は、新聞社と手を結んでおいたらいいということで、ずっと貸し
ていた。この10年ほどで、その借入金が一桁か二桁、また増えたわけで
す。これはご存知のようにコンピュータシステムをとりいれたからで
す。そうなると金融機関に対するチェックは非常に甘くなりますね。だ
から、そのあと、土地問題、不動産問題、銀行の不正融資と、表に出て
いるのは知れたもので、さらにひどいことが金融機関をめぐってはやら
れていますよ。けれども、新聞はさわっていませんね」
(p.303)「はずかしいけれど、そう言われてもしかたないと思いますよ。
特に私は読売新聞にいましたから。読売新聞の幹部がどういう考えで新
聞をつくっているかというのは、社内に発表される社内報で知っていま
すから。それに私自身が辞める前は編集局次長で首脳会議に何年か出席
していたわけですからね。その時に驚いたのは、新聞記者、ジャーナリ
スト、マスコミの役割は−−あの人たちにはジャーナリストもマスコミ
もみんな一緒です−−政府が行政を行うのをサポートすることだ、と言
われたことです。私は三十年以上政府権力をチェックするという考え方
だったんですけれど、最後の数年は、サポートするんだとトップは考え
て紙面を作るようになっていた」
http://www.ac-net.org/dgh/blog/archives/000020.html