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(回答先: ハンセン病元患者の宿泊拒否の姿勢を変えず 黒川温泉のホテル(共同通信) 投稿者 シジミ 日時 2003 年 11 月 18 日 19:37:09)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031118-00001060-mai-soci
国立ハンセン病療養所「菊池恵楓(けいふう)園」(熊本県合志町)の入所者を対象にした「ふるさと訪問事業」で、熊本県が同県南小国町の黒川温泉のホテルに宿泊を申し込んだところ、「他の客に迷惑になる」と拒否されていたことが18日、分かった。県は「人権侵害にあたり、旅館業法違反の疑いがある」と調査に乗り出し、熊本地方法務局も「早急に調査し、勧告など何らかの対処をしたい」と話している。
県によると、同事業は18日から1泊2日の日程で、同園の元患者18人と職員ら4人の計22人が参加予定だった。9月17日に県が黒川温泉の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」に宿泊を申し込み、11月にファクスで宿泊希望者の名簿をホテルに送付。ホテル側は宿泊者が同園の入所者であることを知ったという。
県に対しホテルは「当日は乳幼児が宿泊予定なので心配」と話したという。県は感染の可能性がないことを再三説明。同温泉の旅館やホテルでつくる黒川温泉観光旅館協同組合も説得したが、今月13日に支配人から「他の客の迷惑になるので宿泊を遠慮してほしい」との返事があった。
県は14日、潮谷義子知事名でホテルを経営する「アイスター」(東京)に「偏見と差別に基づくもので、人権侵害として遺憾」と申し入れたが、最終的に「社の判断で拒否する」との回答があった。
潮谷知事は18日の会見で「この時代にどうしてこういうことになるのか、戸惑いを覚えている」と語った。県は「正当な理由なく宿泊を拒否された可能性がある」と旅館業法違反の疑いもあるとして調査している。同事業は、県内の別の宿泊施設で実施している。
ハンセン病訴訟菊池恵楓園原告団長の志村康さん(70)は「怒り心頭だ。ハンセン病国家賠償訴訟の判決(01年)で、らい予防法は違憲と認定されたが、世間の差別・偏見はいつまでも解消されていない。これは一温泉施設の問題ではない。放置すれば新たな差別の始まりになる」と話している。【石川淳一、阿部周一】
◇「時代に逆行」
「差別的で考えられない」。ハンセン病の問題に取り組んできた人たちからは、「宿泊拒否」に憤りの声が上がった。強制入所や断種・堕胎手術など国の隔離政策と戦い、ようやく偏見が消えつつあっただけに「時代に逆行する」と残念がる。今後、法務省や厚生労働省も巻き込む人権問題に発展しそうだ。
「誤った法律と隔離政策がもたらした差別・偏見が、いまだに取り除かれていない証拠だ」。八尋光秀・ハンセン病国家賠償訴訟西日本弁護団長は、怒りを隠せない。同弁護団の古賀克重弁護士も「拒否はまったく根拠がない。熊本地裁が差別偏見を助長した国の過ちを認め、小泉純一郎首相も控訴を断念して、ようやく差別・偏見を無くしてこれから人権回復をしようというときに、時代に逆行する行為だ」と語気を強めた。
九州有数の人気を誇る黒川温泉は、イメージダウンを心配する。同温泉観光旅館協同組合の小林茂喜組合長は「大変遺憾。町長と一緒にホテルを説得したが、だめだった。12月中旬に組合員全員で菊池恵楓園へうかがって、研修をする」という。
また、全国ハンセン病療養所入所者協議会の平野昭・中央執行委員は「感染はないのに、利用拒否とは考えられない。理解が進んでいると思っていただけに残念。県が事前にホテル側を説得しておくべきだったとも思う」と話している。(毎日新聞)
[11月18日16時54分更新]