現在地 HOME > 掲示板 > 戦争39 > 131.html ★阿修羅♪ |
|
このページでは2002年2月Longanesi社出版のティツィアーノ・テルツアーニ作、「Lettere contro la guerra」からの翻訳を掲載しています。ヒマラヤ山中にこもってしまった作者との連絡が現在不可能な状態にあり、正式なWEB上での配付の許可を得ていないため全章の掲載は控えさせて頂きます。「海外翻訳出版権はプレゼントします。どんな小さな出版社でもかまわないから、出来るだけ多くの人に読んでもらいたいのです」と作者から言われ、出版社を探してみましたが、現在のところ(私がイタリアにいる都合もあり)まだ見つかっていません。御意見、ご感想はメール[ryosukal@tiscali.it] までお願いします。本書の出版に興味のある方からのご連絡も大歓迎です。
また、本書の残りの章にご興味を持たれた方は、私に直接ご連絡ください。個人的に配付させて頂きます。
「反戦の手紙について」
本書はアメリカの9・11テロとその後の国際社会の動きに衝撃を受け、世界平和の実現が更に遠のきつつある事に危惧を抱いたイタリア人ジャーナリスト、ティツィアーノ・テルツァーニによって記されたものである。三十年以上前から、アジアでの生活を続けて来た彼には異文化に対する独特の直観的な深い洞察力があり、かつ、そこには欧米人作家の記したいわゆる「神秘のアジア」本に見られる様な極度なアジア礼讃も無ければ、その反対の西洋至上の姿勢もない。彼の一連のアジアに関する著作には、常に現地の人間の目線に立ち、文化の多様性を尊重する姿勢を見ることが出来る。それゆえ、彼は近年のグローバリズムによる先進国側の価値の発展途上国に対する押し付けには批判的な立場を取って来た。 今はまだ幼い姪のノバリスが大きくなってから「平和を選択すること」を祈り、彼女に捧げられた本書は、八通の異なる場所から書かれた手紙で成り立っている。最初の三通はテロ事件発生直後にイタリアで記され、後の五通はアメリカ軍のアフガニスタン空爆開始後に作者がおとずれたパキスタン、アフガニスタン、インドで記されたものである。 テロ事件後に国際社会が一致団結して、アメリカの「報復」という最も原始的な行動を支持した事、それに対する反対の声があまりに少ないことにテルツァーニは深い危機感を覚える。「暴力は暴力を生むことしか出来ない。」という「非暴力」の思想を信じる彼は、テロリストをテロ行為に走らせた原因を理解し、それをなくす事によってのみ真の問題解決が達成されると考えた。そこで彼は、テロリストを生んだ環境を理解し、アメリカのアフガニスタン攻撃が生む結果とそれに続くものを知るために、現地へと向かう。 本文に見られるのは、欧米の公式な報道機関による情報からは知ることの出来なかったこの戦争の様々な実情である。テルツァーニは彼が実際に見聞きした様々な情報を元に、現在の新世界秩序の矛盾や、グローバル化した経済だけに支配されつつある世界の問題、文化の多様性に基づいた世界構築の必要、平和のための暴力の放棄の必要などを説いて行く。 「平和憲法」をもつ日本ではあるが、アメリカのテロ事件以来、「戦争反対」の声をあげ、武力によらない平和を求める声があまり聞こえてこない。アメリカ寄りの政府とマスコミ、日本のジャーナリスト界の責任もあるのだろう。だが、心の中で、このアメリカ主導の新世界秩序の進行に何か納得の行かない人々は多いはずだ。本書はそのような人々に勇気を与え、「平和」について考える一つのきっかけになると私は信じている。
http://web.tiscali.it/no-redirect-tiscali/ryosukal/tt/lcg/index.htm
────────────────────────────────
2001年9月10日「欠落した一日」
http://web.tiscali.it/no-redirect-tiscali/ryosukal/tt/lcg/pages/20010910.htm
カブールからの手紙「ジャガイモ売りとオオカミたちの檻」
http://web.tiscali.it/no-redirect-tiscali/ryosukal/tt/lcg/pages/6kabul.htm
ヒマラヤからの手紙「何をすれば?」
http://web.tiscali.it/no-redirect-tiscali/ryosukal/tt/lcg/pages/8himalaya.htm
以上の3つは長文ですが、読んでいて私はとても共感がもてましたので、読んでいない方にお薦めです。