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9月23日(ブルームバーグ):ジョン・スノー米財務長官は、ドバイでの7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の成果に気を良くしているに違いない。日本による為替操作を、今までになく困難にすることに成功したからだ。
今週に入っての円の急騰がすべてを語っている。7カ国の財務相がより柔軟な為替相場を求めた後の円相場は、2年半ぶりの水準に上昇。G7声明で日本の円安政策維持が困難になったことが示された。
少なくとも、スノー長官はそう考えている。ただ、同長官が心にとめておくべきことが幾つかある。1つは、日本は為替問題でG7で合意しておきながら、それを破った経緯があること。第2は、円安誘導は現在の日本にとって唯一の経済政策だということだ。日本はことし、そのために少なくとも9兆円を費やしている。
ING証券(日本)のチーフエコノミスト、リチャード・ジェラム氏は「日本は、円高阻止のため積極的に介入を続けるだろう」とみている。
しかし、日本の当局者が何をしようと、スノー長官の望みはかなってしまう可能性がある。今週の円の急騰は、円高阻止に向けた日本当局の意思の固さを試すトレーダーの勢いを示している。年末にかけて、円は1ドル=100円に達することもあり得そうだ。
4つの理由
投機筋の円高予想が当たると思われる理由が4つある。第1に、日本経済が13年に及ぶ日本病から回復したというのが本当ならば、円は上昇するはずだ。日経平均上昇の波に乗ろうとする投資資金が、引き続き円を押し上げるだろう。
第2に、「いいとこ取り」を望む日本の政策は現実的でない。貿易黒字を維持しながら円安を期待するのは無理がある。貿易黒字は日本株式会社の自信の源だが、日本への資金純流入が続く限り、円には上昇圧力がかかる。
第3に、過去最大に上る米国の経常赤字は、その調整に向け最終的にドル下落を促す。為替関連情報提供会社のフォーリン・エクスチェンジ・アナリティクスのパートナー、デービッド・ギルモア氏は「世界的な対外収支の不均衡を是正するという米国がやろうとしない仕事に、欧州と日本が着手せざるを得ないだろう」との見方を示す。
第4に、2004年の大統領選が近づくにつれて米国がドル安を望むことはほぼ確実だ。雇用なき回復と中国との競争激化という現実の下で、ブッシュ政権に輸出押し上げを求める圧力がかつてないほどに高まることは目に見えている。ドル安はその処方せんとなる。そもそも、日本や中国に為替操作をやめるよう迫るスノー長官のキャンペーンは、仮面をかぶったドル安政策だろう。
円相場の方向
円相場の急上昇は日本にとってまさに悪夢だ。日本経済をめぐる状況は、円安のおかげで改善した。ところが、景気見通しが好転すると円が上昇する。すると、円高がせっかくの回復の腰を折る。
小泉純一郎首相の自民党総裁選勝利で改革実現への期待が高まり、円買い材料はまた1つ増えた。
日本が望むと望まざるとにかかわらず、1ドル=100円時代の再来は近そうだ。ドバイのG7声明は、対円でのドル相場を押し下げた1985年のプラザ合意の再現とは言えないかもしれないが、今後の円相場の方向については疑問の余地はほとんどない。流れは円高だ。(ウィリアム・ペセック・ジュニア)
(ペセック氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。同氏の見解は彼自身のものです)
東京 William Pesek Jr. 東京 木下 晶代 Akiyo Kinoshita
Last Updated: September 24, 2003 02:23 EDT
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=aQFbSRrwaq5o&refer=top_kaigai