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9千ページの部内文書、サイトで全面公開 英博士究明委
英科学者ケリー博士の死の真相を究明する独立司法委員会(ハットン委員会)は23日、委員会のホームページに、政府高官やBBC放送など関係者が提出した膨大な証拠文書を掲載し公開した。英国の新聞各紙は、新たに明らかになった事実を続々と報じており、28日に同委員会で証言するブレア首相には大きな圧力になりそうだ。
報道によれば、公開された文書は約900件で計9000ページに及ぶ。委員会のホームページから「全証拠」の項目をクリックすると、国防省や下院外交委員会、首相府、BBCなど、関係機関によって区分けされた証拠文書を閲覧できる仕組みだ。
政府が過去に公表してきた文書はもちろん、政府高官が省庁間や部内でやりとりした個人の電子メールや、通常なら30年後にならないと公開されない機密文書、メモなども含まれている。政府が昨年9月に公表した、イラクの大量破壊兵器をめぐる報告書の草案や改訂案なども公開された。
また、疑惑報道のさきがけになったBBCのギリガン記者がケリー博士を取材した際の手書きメモをはじめ、BBC記者や経営幹部が送受信した電子メール、部内文書なども公開されている。
24日付の英国各紙は一夜で分析した新事実を競って報道した。オブザーバー紙は首相府の機密メモから、「ブレア首相は情報源が名乗り出たことを公にすることは支持したが、ケリー博士の名前をリークするかどうかは国防省に任せた」と伝えた。またインディペンデント紙は、ロンドン警視庁が情報漏洩(ろうえい)の疑いでケリー博士を逮捕しようと考えたが、問題の拡大を恐れる国防省がこれを阻んだなどの新事実を報じた。
英国では過去にしばしば、重要な政治問題をめぐって独立司法調査委員会が設置されてきたが、偽証罪など厳格な司法手続きを適用する委員会と、強制力を持たないものの2種類がある。
今回設置されたのは強制力をもたない後者のタイプだが、国論を二分した戦争の大義が正しかったかどうかをめぐって政府とBBCが真っ向から対立、そのさなかに渦中の博士が自殺するという異例の展開をたどったために国民の関心が高い。関係者は衆目注視の圧力を受けて、全面協力をせざるを得ない立場に置かれている。同委は世論を背景に強大な権限をもち、証拠を即時公開して圧力をかけながら、「聖域」だった官邸の奥の院に調査の光をあてようとしている。
(08/24 22:36)
http://www.asahi.com/international/update/0824/006.html