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(回答先: ■500トンのDU(劣化ウラン)がイラクで使われたと米軍大佐が認める■ 投稿者 NOユージ 日時 2003 年 8 月 07 日 17:38:53)
▽イラク人医師「劣化ウラン弾悲惨」
被爆地が祈りに包まれた六日、イラク、イスラエルとパレスチナの人たち、そして米国に住む被爆者が、ヒロシマにいた。一昨年九月十一日の米中枢同時テロ以降、アフガニスタン空爆、イラク戦争と、「報復」の連鎖が続く。その舞台にいる人たちは、立場は違っても、同じ「ヒロシマ」を受け止め、平和への願いを語った。
母国もヒバク地だ―。湾岸戦争やイラク戦争で使われた劣化ウラン弾の被害を訴えるため、来日したイラクの医師二人。初参列した平和記念式典は「病に苦しむ子どもらの顔が浮かんで」つらかった。いまだ戦禍が続く地で「放射能兵器」と呼ばれる劣化ウラン弾に立ち向かう。救えなかった命を原爆犠牲者に重ね合わせ、平和を願う。
イラク南部の都市バスラの医師ジャワッド・アル・アリさん(59)とジョナン・カリブ・ハッサンさん(47)。バスラは一九九一年の湾岸戦争で主戦場となった。今回のイラク戦争も含め劣化ウラン弾が大量に使われた。
午前八時十五分、黙とう。「罪のない多くの女性や子ども、老人を殺し、自然を破壊し、何十億年もぬぐえぬ放射能汚染をもたらしました」。耳を傾けた平和宣言に、二人は「戦争で死んだ友人や、病に苦しむ患者らを思い出した」と声を落とした。
治安は今も、悪化の一途をたどる。途絶えがちな水や電気、不十分な設備や薬でしか対応できぬ中、患者は増え続ける。二人は、その原因を劣化ウラン弾とみる。バスラで十万人当たりのがん患者数は、湾岸前の八八年の十一人に対し、九八年は七十五人、二〇〇一年は百十五人。増え続けている、と言う。
「米国の罪で、なぜイラクの子どもたちが罰を受けるのか」と、ハッサンさんは訴えた。
原爆資料館。劣化ウラン弾禁止(NO DU)ヒロシマ・プロジェクトの森滝春子世話人から説明を受けた二人は、廃虚となった広島の復興過程を紹介するコーナーを食い入るように見つめた。「いつか広島のように再建できるはずだ」。厳しかった表情が一瞬、和らいだ。
戦争と放射能で傷ついたイラクとヒロシマ。アリさんは言う。「ヒロシマは、世界の人々の痛みを分かち合う存在。超大国による破壊を食い止めるための行動を呼び掛けてほしい」
▽イスラエル・パレスチナ宗教家が並んで参列
紛争が絶えないイスラエルとパレスチナ両国の宗教指導者二人が、平和記念式典に参列した。ヒロシマ滞在中、原爆資料館などで被爆の惨状を見聞し、和平への思いを深めた。
イスラエルのユダヤ教指導者の中心的存在であるラビ・イスラエル・メイール・ラオ師と、パレスチナのアラファト議長の宗教顧問シェイフ・タラル・シデル師は並んで座り、厳粛に進む式典を真剣な表情で見つめた。
ラオ師は「暴力は何の解決にもならない」、シデル師は「平和を求める気持ちが強まった。中東地域での戦争を停止しなければいけない」と述べた。式典後、小泉純一郎首相と対面。「相互の和解こそ、平和への最も大事な道のり」とのメッセージに、大きくうなずいていた。
【写真説明】上=原爆資料館で、6月にイラクを訪れた森滝さん(右)から説明を受けるハッサンさん(左)とアリさん(中) 下=式典に臨んだイスラエルのラオ師(左)と、パレスチナのシデル師
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn03080702.html