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【エルサレム樋口直樹】イラク北部クルド人自治区スレイマニヤで4日、米軍部隊がトルコ軍施設を急襲し、兵士11人を拘束した事件で、トルコのエルドアン首相は5日、兵士数人が釈放されたと語った。しかし、トルコ側は同盟国である米国からの襲撃に強い不快感を示している。両国関係はイラク戦争時にトルコが国内基地の米軍使用を認めなかったため冷却化し、今回の事件で一層険悪化する恐れもある。
同紙によると、この作戦には米兵約100人が参加。拘束されたトルコ兵らは、イラク北部の主要都市キルクークでのクルド人勢力排除を計画していた疑いが持たれているという。
トルコのエルドアン首相は「同盟国に対する説明のつかない行為だ」と米国を厳しく批判。ギュル外相も「トルコはイラクの不安定化のためにではなく、安定化のために尽くしている」と主張した。
ロイター通信によると、トルコの民間テレビ局NTVは、トルコ軍上層部が米国への報復措置を検討していると伝えた。米国がすべてのトルコ兵を釈放しない場合、トルコ領空での米軍機の飛行禁止や、米軍による南東部インジルリク空軍基地の使用禁止なども選択肢に含まれるという。
こうした事態を受け、ギュル外相はパウエル米国務長官と電話会談。トルコ国営アナトリア通信によると、パウエル長官はトルコ兵ら計24人をイラクの首都バグダッドに移送したことを明らかにした。
キルクークはイラク有数の油田地帯。米軍はイラク戦争時、北部のクルド人自治区を足がかりに南下し、キルクーク一帯を占領した。現在は米軍に協力したクルド人勢力が実権を握っているとされる。トルコにもイラク国境沿いの南東部を中心に、トルコからの分離独立を求めるクルド人勢力が存在するため、イラク北部でのクルド人勢力の拡大が、自国のクルド独立運動を刺激する恐れがあるとして警戒感を強めている。特に、イラクのクルド人勢力によるキルクーク掌握には強い懸念を示していた。
80年代から90年代にかけて自国のクルド人武装勢力と激しい戦闘を繰り広げたトルコは、イラク北部へ逃げ込んだ武装勢力を掃討するため、同国北部に数千人規模の部隊を送り込んでいるとみられる。
[毎日新聞7月6日] ( 2003-07-06-21:21 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030707k0000m030090000c.html