現在地 HOME > 掲示板 > 戦争36 > 451.html ★阿修羅♪ |
|
【バグダッド福島良典】ブッシュ米大統領によるイラク戦争終結宣言から2カ月が経ち、米軍占領に不満を募らせる国民や政党の間でイラク人選出による「自前の新政府」の早期樹立を求める声が高まっている。占領当局のブレマー文民行政官はイラク人の諮問機関「政治評議会」を今月中旬までに選任すると繰り返しているが、占領長期化の公算が濃厚になる中、住民の対米不信感が増幅している。
イスラム教シーア派のイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)のアブドラアジズ・ハキム副議長は毎日新聞との会見で「占領を受け入れる国民はいない。占領の停止が必要だ」と米軍の長期駐留を拒否。「だが、行動は非暴力、非武装でなければならない」と米兵攻撃路線とは一線を画し、平和的抵抗を継続する意向を表明した。
占領当局が先月初め、新政権樹立に向けた「国民議会」開催を急きょ取りやめたことで、イラク人統治の確立は見通しが立っていない。代わって占領当局は権限の弱い「政治評議会」、「制憲評議会」を選任する方針を発表した。
これに対し、ハキム副議長は「イラク国民によって選出され、広範な権限を持つ、全国民参加の政府の樹立が望ましい」と指摘。旧フセイン政権幹部の責任追及についても「裁くのは国際戦犯裁判所ではなく、イラク戦犯法廷の設置が必要だ」と述べ、対米依存から脱却する必要性を強調した。
また、シーア派指導者のシスタニ師は先月末、「米国が指名する制憲評議会は受け入れられない」とのファトワ(宗教布告)を発表した。同師はその中で「そのようにして制定された憲法がイラク人の利益にかない、イスラムと高貴な社会的価値に基礎を置くイラクの国民性を反映する保証はない」と対米不信感をあらわにした。
イラク共産党のジャシム・アル・ヒルフィ中央執行委員会メンバーも「少人数の評議会を作ったところで問題は解決しない。全党派が参加する国民会議で新政権づくりを話し合う以外に道はない」と占領当局の方針に真っ向から反対している。同党は国民会議の開催、1年後の選挙実施を目指し、各党との接触を強化している。
旧フセイン政権時代に外国に逃れていた反体制派が政治評議会などで主導権を握ることに対する一般住民の反発もある。ジャーナリストのネルミン・アル・ムフティさん(42)は「パチャチ元外相を除き反体制派指導者の多くはかつて旧政権と協力関係にあった。私たちが望む新指導部は国内に残っていた人物だ」と主張する。
[毎日新聞7月2日] ( 2003-07-02-18:10 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030703k0000m030016000c.html