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フセイン体制崩壊後2カ月が過ぎたイラクで、米英軍が「刀狩り」に躍起になっている。だが、無政府状態の中で広がったカラシニコフ銃や手榴弾(しゅりゅうだん)など小火器の取引は、規制の強化で地下に潜ったものの、価格が安くなるという皮肉な現象が起きている。自衛のため、として武器を隠し持つ市民も多く、治安維持の道のりは容易ではない。
バグダッド南西部バイヤー地区の市場。最近まで清涼飲料水やたばこなどと共に、堂々と手榴弾や銃、弾薬を売っていたが、米英の暫定占領当局(CPA)が市民に自発的な武器提出を求め、武器回収を始めた今月初めごろから、「店先」の武器類は消えた。
銃の売人の若者は「もちろん隠した。『出せ』と命令されて『はい』と差し出すほどバカじゃない」と話す。いまは、市場などで売人に接触し、買い手が米軍のスパイではないと信用を得れば、別の場所に移動し、金と交換に武器を受け渡すという。
関係者によると、9日の取引価格では、中古のカラシニコフ銃が12万ディナール(約1万1000円)前後で、武器回収以前より7万5000ディナール値下がりした。ロシア製短銃も35万ディナール(約3万2000円)から30万ディナールに下がった。
一方、隠し持つことが容易で、米軍の攻撃によく使われる手榴弾は1500ディナール(約120円)から1750ディナール前後に上がっているという。
「価格崩壊」の背景には、米軍が監視と摘発を強化したことで、売り手が処分を急ぐ動きが広がっていることがあるとみられる。一方で、イラク社会では、武器所有が伝統的に容認され、一家に一丁銃があるとも言われ、治安悪化で自衛のために武器を隠し持つ人が増え、やみ取引がひそかに続く。
米軍は武器回収のためにラジオや軍用車両のスピーカー、ビラなどを使い大々的な宣伝を続けているが、一般市民が隠し持つ武器の摘発は、隣人などの密告情報か、検問での発見以外に方法がない。逃走する武器所有者と米兵が銃撃戦になることもあったという。 (06/11 11:54)
http://www.asahi.com/international/update/0611/006.html