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【サンクトペテルブルク(ロシア)=永田和男】ブッシュ米大統領とロシアのプーチン大統領は1日、サンクトペテルブルクのコンスタンチン宮殿で会談し、北朝鮮とイランの核兵器開発阻止の必要で一致した。
共同記者会見で両大統領は大量破壊兵器拡散阻止という世界共通の脅威克服に向け米露の戦略的パートナーシップが果たす役割の重要性を強調、イラク戦争を巡る意見対立の克服を演出した。プーチン大統領が9月に訪米しキャンプデービッド山荘で会談することも決まった。
共同会見でブッシュ大統領は「われわれ(米露首脳)は北朝鮮に可視的、検証可能で不可逆的な方法で核兵器開発計画を破棄するよう求める」と述べ、ロシアの協力も得て北朝鮮の核開発阻止を目指す国際的包囲網強化を進める方針を改めて表明した。ブッシュ大統領は1日中にフランス・エビアンで行う胡錦濤・中国国家主席との会談でも朝鮮半島の非核化に向けた協力を確認する意向だ。
一方、イランの核開発についてはブッシュ大統領が「ロシアと米国はイランの核兵器開発進展に共通の懸念を抱いている」と述べたのに対し、プーチン大統領も「ロシアと米国の立場は思われているより近い。大量破壊兵器拡散は監視され阻止されるべきだ。これはイランだけでなく世界の他の地域でも同じだ」と応じ、イランの核問題ではこれまでになく米国の主張に歩み寄りを見せた。
ただプーチン大統領は「核兵器開発阻止をテコにわれわれに不公正な競争が課されることには反対する」と指摘。ロシアとイラン間の民生用原発建設目的での協力関係への干渉をけん制した。
ブッシュ、プーチン両大統領は共同会見の冒頭、昨年調印したモスクワ条約(戦略攻撃兵器削減条約)の批准書を交換。米露の戦略核弾頭を2012年までに現有の3分の1に減らす同条約は即時発効した。
米露首脳は共同声明で大量破壊兵器の脅威削減に向け、両国がミサイル防衛網開発での協力を深める方針も表明した。
会見でプーチン大統領も「イラク戦争を巡る意見の違いがあってもわれわれは個人的関係と相互協力を維持する努力を続けてきた」と述べ、ブッシュ大統領も「プーチン大統領は米国の友情を得ている」と応じるなど、イラク戦争を巡るしこり解消を打ち出していた。
(2003/6/1/17:06 読売新聞 無断転載禁止)