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5月31日 (ブルームバーグ):ロシア訪問中の小泉純一郎首相は31日午前(日本時間同日午後)、サンクトペテルブルク市内で中国の胡錦濤国家主席と初めての首脳会談を行い、未来志向の日中関係の発展に向けて緊密に協力していくことで合意した。
北朝鮮問題については、両国が早期解決に向けて連携することに加えて、米朝中3カ国協議への日韓両国の早期参加が不可欠との認識で一致。胡主席は核開発問題と日本人拉致事件を包括的に解決すべきとする日本の姿勢に理解を示した。小泉首相が会談後、同行記者団に明らかにした。
首相に同行している政府高官によると、胡主席は拉致事件について、中国としては日本の皆さんが対話を通じ適切に解決することを支持する、と拉致問題の早期解決への支持を初めて表明した。
一方、同高官によると、胡主席は日中関係の発展に向けて、「日中共同声明、日中平和友好条約、日中共同宣言という3文書の原則、精神などを厳守すべきだ」と主張。そのうえで、「双方は共通の利益を追求し、相手国の困難を理解し、解決することが必要だ。ぜひ台湾の問題を適切に処理してほしい。相手方の国民感情を傷つけてはならない」と語った。この胡主席の「国民感情」という発言について、同高官は「歴史問題と台湾問題の両方だと思う。一般的な問題だ」と述べるにとどめた。
SARS対策でも協力確認
また小泉首相によると、両首脳は、今後、両首脳の相互訪問の実現に向けて努力することを確認。中国で流行している新型肺炎、重症急性呼吸器症候群(SARS)をについて、両国が対策と予防面で連携していくことを申し合わせた。同高官によると、胡主席は会談の冒頭、中国政府と人民を代表してSARSとの戦いで日本政府から受けた支援に心から感謝する、と謝意を表明した。
小泉首相は会談後、同行記者団に対し、日中関係について、「『今後、未来志向で日中協力関係を発展させていこう。日中平和条約締結25周年の節目に当たるから、相互依存、互恵関係の観点から、日中がいろいろな分野で協力関係を深めていこう』という話ができた」と述べた。
平和解決で一致−北朝鮮問題
北朝鮮問題に関しては「緊密な連携、協力をしながら平和的解決を目指すということで一致した」と強調。そのうえで、「米朝中3者協議を踏まえて、日韓の(3者協議への)参加が不可欠ということに理解が得られた」と語った。拉致事件については「(胡主席は)拉致問題に大きな関心を示していたし、包括的に解決すべきとの認識を持っている。理解を得られたと思う」との見方を示した。
首相はそのうえで、「互いが都合の良いときに相互訪問できるよう努力していこうということで会談を終えた」と言明した。
首相が同行記者団に語ったこのほかの発言(要旨)と、日本政府高官による両首脳の首脳会談での発言(同)は次の通り。
<首相の記者団への発言> 「「『今後、未来志向で日中協力関係を発展させていく。過去一時期対立したことがあるが、長い歴史のなかでみれば友好の歴史の方がはるかに長い。今年は日中平和友好条約25周年の節目だから、お互いの相互依存関係、相互互恵関係の観点から、日中の友好を維持して、いろいろな分野で協力関係を深めていきましょう』という話をした」
「北京−上海高速鉄道について話した。『これが日中協力でできればさらに互いの協力関係にプラスになるのではないか』と話をしたところ、(胡主席は)『この問題については現在、中国ではリニアモーターカーと新幹線のどちらが良いか検討中だ』という話だった」
「北朝鮮の対応については、核は容認できないという非核化と拉致問題を包括的、平和的に解決していくという日本の立場にも理解を得ることができたと思う」
「今後、北朝鮮に対しても、相互で意見交換、情報交換しながら協力できるのではないかと思っている。北朝鮮に対しては中国の役割が非常に大きいと思うので、日本としてはいろいろ情報交換を含めた中国側との緊密な連携も必要だと思っている」「(日中首脳は)『今後、日韓の参加が不可欠だ。あるいは将来、ロシアを入れた対応、働きかけが必要だ』という点では共通している」
「(胡主席から)SARSに対する(日本の対応への)感謝の言葉があったので、『これからも担当当局などで何が必要か、またどういう協力が必要かを詰めて、予防を含めた対応を考えていきましょう』と話した」
「歴史認識」という文言は会談で出たのか:「過去の一時期の対立よりも友好の歴史の方がはるかに長いという話だ。そして日中で発展を図っていこう、と両方が話した。胡主席も話した」
胡主席から首相の靖国神社参拝に関する発言はあったか:「まったくない」
<日本政府高官による両首脳の会談発言> 胡主席:中国の経済の発展は(他国への)脅威ではなくチャンスだ。(両国の)ウィン・ウィン(Win Win)だ。
首相:日本の一部には中国経済に対する警戒論があるが、自分はチャンスととらえて、互恵の関係を進めていきたい。
胡主席:日中両国は2000年以上の長い友好、交流の歴史があり、両国間には一時期、不幸な過去もあるが、善隣友好が主流だ。両国の数世代の努力により、日中関係は広く深い。歴史を鏡とすべきとわれわれは言うが、歴史が示すように、両国が平和裏に友好的な交流をすることが、両国民や世界に影響をもたらす。
胡主席:新世紀に日中関係を発展させるため、日中共同声明、日中平和友好条約、日中共同宣言という3つの文書の原則と精神などを厳守すべきだ。双方は共通の利益を追求し、相手国の困難を理解し、解決することが必要だ。ぜひ台湾の問題を適切に処理してほしい。相手方の国民感情を傷つけてはならない。
首相:日本は米国と対立したこともあるが、今は非常に良好な同盟関係にある。日中についても今後ますます協力していかなければならない。新しい賢人会「新日中21世紀委員会」を作って協力を進めていきたい。
胡主席:首相の言葉に先制する。歴史を鏡とし、未来に向けて長期的視野に立ち大局を踏まえて新世紀の日中関係をつくりたい。25周年を機に、賢人会「新日中21世紀委員会」を開き、両国の建設的な提議を行いたい。
サンクトペテルブルク 山村 敬一 Keiichi Yamamura
http://www.bloomberg.co.jp/news/mof.html?s=APtiGRCUmk.qSho7x