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ガンマ線バーストは極超新星が起源?!
すばるによる SN 2003dh/GRB 030329 の観測
国立天文台、東京大学、テキサス大学(米国)などからなる観測グループが、 ガンマ線バースト GRB 030329 (超新星 SN2003dh)の分光観測に成功し、この 天体が極超新星であることを明瞭に示しました。
この天体は、2003年3月29日にガンマ線バースト探査衛星HETE-2 によって最初 に捕らえられ、GRB 030329と名づけられました。これに対応する天体が 可視光でも見つかり、追跡観測によって2型超新星と似たスペクトル示すこ とが判明しました。このため、同じ天体に対して SN 2003dh という超新星と しての名前もつけられました。ガンマ線バーストという現象は、発見から30年 余り経った現在でも起源が良くわかっておらず、可視光でもとらえられたこの 天体に注目が集まっています。
観測は、すばる望遠鏡の微光天体分光撮像装置FOCASを用いて、ハワイ時間 2003年5月7日及び8日に行われました。図に、すばるで得られたこの天体 (SN 2003dh/GRB 030329) のスペクトルを示しました(黒線)。図では、過去に見 つかった他の超新星と比較していますが、これらが互いによく似たスペクトル の特徴をもっていることがわかります。SN 1997ef や SN 1998bw は、爆発のエネ ルギーが通常の超新星よりも一桁ほど大きく、極超新星とも呼ばれています 。
過去にもガンマ線バーストと超新星の繋がりを示唆する観測例は存在しますが、 スペクトルの一致がこれだけ明瞭に捕らえられたのは、今回の天体が初めてで あり、ガンマ線バーストの起源に迫る重要な観測結果です。
これらの観測結果については、国際天文連合回報(IAUC)8133号で5月17日に 速報されました。現在、より詳しい解析が進められており、その成果も今後 発表していく予定です。