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(回答先: クライン孝子の日記 (2003/06/07) 投稿者 孝子ファン 日時 2003 年 6 月 07 日 17:57:50)
MRI Daily Economic Comment-------Mitsubishi Research Institute, Inc.
May 9, 2003
ドイツ経済(5 月)
受注が大幅に減少し、ユーロ高も打撃回復期待が遠のく
ドイツ経済は厳しさを増している。3 月の製造業受注が前月
比▲3.9 %減少し、企業マインドが一段と悪化している。受注
の減少には、国内からの受注だけでなく、ユーロ高による輸出
競争力の低下を反映して、国外からの受注も減少していること
が大きく寄与している。収益面で苦しいドイツ製造業は、ECB
(欧州中央銀行)に対して金利引下げ、ユーロ安誘導を強く期
待しているが、5 月のECB 理事会は政策金利を2.5 %に据え置
くことを決定した。
生産をめぐる環境の厳しさは、雇用動向にも反映されている。
4 月の失業者数は11.3 万人増加し、449.5 万人に達した。失業
の原因には倒産の増大も影響していると考えられる。本来、低
いインフレ率やイラク戦の終結などから消費マインドが改善
することが期待される局面であるが、むしろデフレの深化、雇
用情勢の更なる悪化が懸念されるため、消費者心理も後退した
状態が続く。
このような足元の経済情勢を踏まえて、政府も今年の経済成
長見通しをさらに下方修正し0.75 %と発表した。しかし、こ
の数値ですら、すでに目標値に近いと懸念する声が強く、今年
はほぼゼロ成長となるリスクも高い。早急な対応を迫られてい
る経済構造改革も、労働組合を中心に激しい抵抗にあっている。
そもそも労働組合はシュレーダー首相再任の強いパートナー
であったが、首相が掲げる解雇条件の緩和、年金給付条件の変
更、失業手当の見直し等に強く反対している。失業が増加する
中で、特に失業手当の見直しに対する反発が強い。財政出動の
余力は小さく、ECB の援軍もなく、シュレーダー政権はます
ます窮地に追い込まれつつある。
◆ご連絡先 株式会社三菱総合研究所政策・経済研究センター 山田 聡
(Email: syamada@mri.co.jp /Tel 03-3277-3440 / Fax 03-3277-0521 )