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福岡市の一家4人殺害事件で、福岡県警捜査本部が「遺体に付けられていた手錠と鉄アレイの購入者」とほぼ断定した中国人就学生(21)。彼を事件に引き込んだ人物は? 殺人・死体遺棄にも関与したのか――。ようやくたどりついた“重要参考人”は事件の4日後、同居の留学生(23)と共にあわただしく帰国していた。県警は市内の居宅から押収した毛髪などのDNA鑑定で被害者との接点解明を進めるが、捜査陣の前に国境の壁が立ちはだかっている。
■DNA鑑定
県警は就学生宅からの押収物と、殺害された松本真二郎さん(当時41歳)宅や松本さんの車に残された一家以外の遺留品のDNA鑑定を急いでいる。
一致すれば、就学生か、家に出入りしていた人物が事件に関与していた疑いが強まる。だが、就学生宅には同居の留学生のほかにも別の中国人が出入りしていた可能性が高く、DNAがだれのものなのかは、就学生本人のだ液や毛髪などを入手し、改めて照合することが必要だ。
就学生宅からは、Vネックシャツやメモなどが押収され、メモには中国人ら複数の名前が記されていた。これらの人物の所在確認も必要で、いずれにしても、中国側の捜査協力が不可欠な状況になっている。
県警は、国際刑事警察機構や外交ルートを通じて、中国の公安当局に捜査協力を依頼する。就学生の所在が確認できれば、事情聴取や、毛髪、体液などの任意提出を求めるとみられる。
■同居の留学生
就学生と同居していた男子留学生(23)がなぜ一緒に帰国したのかも、今のところ謎だ。
留学生も就学生と同じ吉林省長春市出身。「中国は経済発展しており、日本で貿易を学びたい」。留学先の北九州市の大学に提出した留学希望の理由には、こう記していた。
昨春入学したが、10月からの後期は休学。今春復学したものの、事件直後の6月20日ごろ「学費を両親にもらいに行く」と帰国を申し出て、そのまま姿を消した。6月末が支払い期限の学費は26万円。大学は「帰国旅費もかかるから送金してもらってはどうか」と進言したが、「事情を説明に行く」と振り切った。さらに大学が先月、中国の実家に電話を入れたところ、母親は「戻っていません」と答えたという。
入学時に大学に届け出た住所は、就学生のアパートの別の部屋。だが、ここは空き部屋だった。同居していた部屋には、布団が並んで敷かれ、家財道具などはそのまま。あわただしく帰国したことをうかがわせた。
福岡市に暮らすことについて、大学には福岡市の繁華街・天神のファストフード店で働くと報告していた。
■アルバイト先
就学生は通っていた日本語学校に、新聞配達と日雇い労働をしていたことを告げていた。
福岡市内の新聞販売店店主(33)は「みんな朝5時ごろ来るが、4時前に1番で出勤した。ちらかったものは片付ける。もっと使いたかった」と話す。給料は月6万5000円ほどだった。
勤めていたのは昨年8〜12月。別の中国人配達員が休むため「弟を使ってくれ」と連れてきたという。同僚で、太宰府市の大学で日本文化などを学ぶ中国人留学生(21)は「おとなしくて、けんかなんかしないい人だなと思った。1度だけ、勉強の話をしたが『日本の文化などを勉強したい』と言い、自分と同じと思った」と話した。
一方、福岡市博多区の御笠川にかかる千鳥橋。この付近には早朝、日雇い労働を求める人たちが集まる。5日は50〜60歳代とみられる男性約50人が集まっていたが、就学生を知る人はいなかった。「中国人は土砂や建材を運ぶ簡単な作業が多いよ」と中年の男性。
殺害された松本さんの妻千加さん(当時40歳)の遺体には、下水道工事で使われる特殊な工具が、手錠で結びつけられていた。
[毎日新聞8月6日] ( 2003-08-06-00:19 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20030806k0000m040121002c.html