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(回答先: 中:「家族」 朝日新聞 投稿者 エンセン 日時 2003 年 7 月 27 日 02:22:59)
「普通の子」戸惑う大人
長崎市の平和公園の東に隣接する長崎少年鑑別所。2階に、収容されている子どもたちが生活する部屋がある。少年が暮らしているのは、畳の敷かれた個室。トイレや洗面台のほか、テレビもあり、食事は部屋で一人でとる。
朝7時に起床し、夜は9時に布団に入る。白い半袖シャツに半ズボン姿。昼間は、付添人の弁護士の面会や、家裁の調査官の面接があり、自由時間は図書室にある本を借りて読んだり、参考書で勉強をしたりして過ごしている。約2カ月間の精神鑑定もここで受ける。
初めのうち「寝つけない」と漏らしていたが、最近はあまり疲れた様子もなく、落ち着きを見せている。
面会に訪れる弁護士の目を見ながら、事件に関しても、少しずつ口を開き、おおむね事実を認めている。「一生かけて償わなくてはならない」と言われ、「はい」とうなずいた。
鑑別所内での作文に、園児へのおわびや反省の言葉をつづった。だが、動機など核心については、収容直後に「自分がやっていることが分からなくなった」などと話した後、いまも話そうとしない部分があるようだという。
「自分が園児の立場だったらどう思うか」と水を向けたところ、顔をこわばらせ、うつむいたまま、言葉はなかった。
事件後、少年と向き合った人たちが共通してもつ印象がある。「普通の少年」だ。
補導された今月9日。少年は稲佐署2階の補導室に入った。付き添っていた父親の横で淡々と話し、事情を聴かれている間、騒ぎ出すこともなかった。「(園児の)お父さん、お母さんごめんなさい」と素直に謝罪の言葉を口にした。県警幹部には「精神鑑定の必要がある」との報告はなかった。
97年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件では、当時14歳だった中学3年生は、殺害後に切断した小学生の頭部を中学校の正門に置き、「さあ、ゲームの始まりです」と挑戦的なメモを残した。逮捕後は、長く両親との面会を拒否した。
長崎の少年は、両親と会いたがっているそぶりを見せている。弁護士の問いかけに「会いたいけれど、事件のこととかがあるので、まだ会いたくない」などと複雑な胸の内ものぞかせた。
165センチの大柄な少年は、「幼さ」を感じさせた。4歳の男の子の体をはさみで傷つけ、屋上から突き落として命を奪った事件との落差に、みな戸惑っている。
審判の前日、殺された園児の父親は「少年の処分に極刑を望む」という文章を公表した。
長崎市郊外の少年の親族の家は表札がはずされ、年老いた祖母は「向こう(園児の遺族)に迷惑かけて。なんとかしないと」と涙を流した。県警での事情聴取には父親が同席したが、23日の初めての審判の日、両親の姿はなかった。
初回の審判で決まった精神鑑定は9月19日まで続く。
(朝日新聞2003年7月26日朝刊紙面)
http://www.asahi.com/special/nagasaki/030726.html