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種元駿ちゃん誘拐殺害事件で、長崎市内の中学一年の男子生徒(12)が県警に補導されて十六日で一週間がたつ。これまでの捜査の経過などを検証した。
駿ちゃんの遺体は二日朝、市中心部の立体駐車場の一階通路で見つかった。前日夜に約四キロ離れた家電量販店で行方不明になって約十四時間後だった。
県警本部のすぐ近くでの誘拐殺人事件。捜査本部が設置され、百八十人態勢で聞き込みなど県警のメンツをかけた活動が展開された。解決への大きな手掛かりは、二日の時点で得られていた。殺害現場近くの浜市アーケードの防犯カメラ映像だった。捜査員が目を通す中で、駿ちゃんらしい男児と、若い男の姿が写っていた。翌三日に録画画像の提供を得て人物特定のための解析に着手した。
拡大して見る画像は粗いが、捜査員らは大きな手応えを得た。同時に、驚がくして映像を見詰めた。若い男は学生服姿にも見え、白い靴を履いている。シャツの胸には中学の校章のようなデザインも見られる。犯行現場の駐車場屋上には、市内の中学生が履いている白い運動靴の跡も見つかった。「犯人は中学生なのか」
この後、一部の捜査関係者からは「ここ数日がヤマ」と解決への確信めいた声も漏れた。一方で「防犯ビデオに若い男」とマスコミで報じられたのを境に、捜査幹部は口を固く閉ざすようになる。
九日の補導の三日前、ある捜査幹部は「捜査はあらゆる手掛かりの積み重ねだ。断片的な報道が正しいかどうかは知らん」と前置きした上で、「報道で一番恐れるのは、(捜査の目が向けられていると知った)その子の自殺だよ。万一のことになったらどうするんだ」。連日、全国ニュースのトップで報じられる凶悪事件が、少年事件でもあるとの確信に近づくに伴い、捜査幹部は報道内容に日に日に神経をとがらせていった。
一方、社会の目はもはや犯人像にくぎ付けになっていた。「犯人は若い男」「白シャツ、黒ズボンの未成年か」「中学生か」。幅を持たせて報じられていた犯人像は、テレビのワイドショーも含め報道が過熱化する中、日を追うごとに絞り込まれていく。インターネットの掲示板サイトでも犯人捜しの書き込みが相次ぎ、長崎市内の複数の中学校名が挙げられるようになっていた。
そのころ、ある捜査関係者はこう語った。「事情聴取は、学校などへの影響の大きさを考えれば、休みの土曜日か日曜日がいいが、タイミングが難しい。風船がギューッと絞られ、いつはじけるか分からない状態だ」。社会全体が県警の公式発表を待つことなく、「中学生の凶行」という先行報道で騒然とする中、県警は九日朝、校外での職場体験学習に向かう集合場所で少年を任意同行した。同級生の目の前だった。
2003年7月16日長崎新聞掲載
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/yuusatu/07/75.html