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(回答先: 観測研究本格化、地震前兆検知公開実験開始から8年間で初めての一般公表について 投稿者 公開にあたって 日時 2003 年 9 月 08 日 19:15:23)
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《公安情報 ESPIO!》
■ 「観測事実」からのチャレンジ Vol.231 09/09/03
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1.「いつ来てもおかしくない」
世の中には「いつか必ずそうなる」と分かっていても、なかなか
対処し難いものがある。たとえば、化石燃料の枯渇。自分の生きて
いるうちに、石油が消費し尽くされてしまう見込みも高いが、一部
の専門家を除いて、普段から心配している人など極ごく少数だろう。
こんな書き出しをしていること自体、なにか筆者が怪しげなマル
チ商法でも始めたとでも受け取られないかと気が気でない−“常識
的”には、それぐらい思考に抵抗が伴う。
もっと身近には、ゴミ問題なんかもある。毎週、毎週、自分一人
だけでも大量のゴミを出しているが、いったいどうなっちゃうんだ
ろう。最終処分場の逼迫などもはや常態化している。
しかし、いずれも節目節目でニュースになるくらいで、自他とも
にライフスタイルを根本的に変革するような行動に出ることは絶対
にない。偉そうに切り出したが、たまたまメルマガの執筆上、話題
に触れただけのことで、無論、普段は何も考えていない。
あるいは、「死」が最も端的な例かもしれない。必ず訪れるにも
関わらず、自分が重病を患ったり、ごく親しい者が死んだりしない
限り、やはり日常意識されることは少ない。
探せばいくつもそういうテーマが見つかるんだろうが、そんな事
例の一つに大震災がある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030901-00000107-kyodo-soci
「いつ来てもおかしくない」と言われる大規模地震−実は、それ
がまさに直近に到来するかもしれないという指摘がある。
毎度、繰り返されてきた光景のようにも一見思えるが、ひょっと
すると今回は違うかもしれない
なんだか徐々に大騒ぎになり始めているのだ。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/8896/index.html
2.9月16日〜17日±2
地震を予測するのは、「八ヶ岳南天文台地震前兆観測センター」
http://epio.jpinfo.ne.jp/index.html
の串田嘉男氏だ。
http://epio.jpinfo.ne.jp/keireki.html
最短の場合の可能性は「9月16日〜17日±2」。予測領域は
「南関東圏」。予報規模は「M7.2±0.5」。
結論の一部だけを呈示するとセンセーショナルで、大きな誤解を
招きそうだが、串田氏は当然のことながら相当慎重に留保を重ねて
いる。
http://epio.jpinfo.ne.jp/1057/index.html
実際、「今回公表したことによって、なにも発生がなければ、皆
様からのご批判が大きくなり、本観測研究は続けられなくなる可能
性」があるわけだから、たとえ可能性の呈示に留まるとしても、串
田氏が負うリスクは極めて大きい。
そうせざるを得なかった理由は、串田氏が記すところから判断す
れば、一つには
http://epio.jpinfo.ne.jp/1057/index.html
適切な情報公開をしなければ、歪曲された報道によって研究そのも
のがダメージを受ける、ということなのだろう。
一方、「8年間で初めての一般公表」というわけだから、悩み抜
いた末に公表に踏み切るほどの、かなり特異な動向が観測されてい
る様子が窺えるのだ。
<参考>公開実験
あくまで“一般”公表が初めてという意味のようである。
「公表」そのものは、次の通り行われている。
「まだ研究途上のものなので、広く一般に公表することは困難だ
が、自分たちだけで予測をし、後になって予知できたといくら主張
しても仕方がない。誰かが事前に地震発生内容の予測が出ていたこ
との証人となってくれるようなシステムが必要だった」
「そこで思いついたのが、『公開実験』である。私たちの観測で
観測された前兆といままでの経験から推定される地震活動内容、そ
してその予測解析内容を記したレポートを随時まとめ、『絶対に他
言しない、二次使用しない』という堅い誓約をしていただいた上で
FAXで配信し、実際の地震活動との相関を確認してもらうという
ものだ」(串田氏著『地震予報に挑む』PHP新書、56ないし5
7頁、以下同)
3.『地震予報に挑む』
情報の公開は9月7日付。
内容が内容だけに、今日発売の週刊朝日(28ないし31頁)が
フォローしている。
筆者も昨日、ホームページでの発表を見た。それまで串田氏の名
前すら知らず、著作も読んでいなかった。
そこで、急遽、氏の『地震予報に挑む』に目を通すことにした−
なんとこれが、そこいらの小説や映画より、はるかにエキサイティ
ングな内容なのである。
http://www.nikkei.co.jp/pub/science/page_2/magazine/0111/earthquake.html
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000030724724
4.着想の経緯
93年8月のこと。もともとアマチュアの天文家だった串田氏は
、流星が直接届かないFM電波を反射させる現象を利用して(「流
星バースト通信」の原理)、ペルセウス座流星群を観測する準備を
進めていた。FM電波を利用すると、曇りや雨で星空が見られない
時や昼間でも、流星を探知できる(「リッスン法」)。
ところが、テスト観測初日、受信電波の変動を表すペンレコーダ
ー(記録計)の基線が「ザビザビした太い基線」になるという予想
外の出来事が起きる。
ちょうど奥尻島で大きな余震が起きたことをニュースで知った串
田氏は、直感的に、両者の動きに関係があるのではないかと考えた
。というのも、氏は観測時、八ヶ岳から北方向にある仙台局の出力
5kwの強い電波を目標にしていて、アンテナの感度面をまさに北
に向けていたからだ。
引き続き観測作業を継続した串田氏は、基線の変動と地震の発生
に相関関係があるという確信を徐々に深めていく。
その確信が決定的になったのは、95年1月14日から15日。
「いつもの基線の倍の太さの基線」を確認した氏はその理由に頭を
抱え込んだ。
そして、17日、阪神大震災が起こったのだ。
5.時期、場所、規模
観測データから得られた経験則の詳細については、『地震予報に
挑む』を参照されたい。
ごく大雑把に摘示すると次のとおりである。
■地震前兆変動の形態
地震前兆変動の種類には、大きく言って次の3つを認めることが
できる。
基線がウネル−BF変動
連続的にウネル−連続BF変動
基線幅が増大する−BT変動
■発生時期
「前兆が消えて地震発生に至るまでの静穏期間が、前兆が現れだ
した初現から地震発生までの日数の6分の1」になっている。さら
に「前兆の局から発生までの期間は、前兆初現から発生までの期間
は20:13」となる(90ないし94頁)
今回の「9月16日〜17日±2」という具体的な指定も、基本
的には、以上のような経験則に依っている。
■モニター可能領域
観測結果を総合すると、「1kw程度までの出力局を目標局にす
ると局を中心とした領域がモニターでき、出力が3kw、5kw、
10kwと強い出力局にすればするほど、電波の送信局と観測点を
結ぶ線上で、モニター領域の中心位置が観測点方向によってくる」
(63頁)。
観測点からモニター領域中心点までの距離をL(km)、観測点
から電波送信局までの距離をr(km)、出力をP(kw)とする
と、次のような経験式が得られる。
L=r(1−√(P/27.3))
基線変動の形態によってもLは変化するが、観測点を多くするこ
とで原因領域(予測震央)を推定することができる。
■発生規模
地震学では、発生地震の規模をM、断層長をLとすると、
logL=0.5M−1.8
という経験式が成り立つとされている。
「連続BFの継続時間計h」とLの数値が経験的にほぼ同じであ
ることから、Mを推測できる。
<参考>
「内容的には大分古く」なった『地震予報に挑む』では(後述7
参照)、「短周期CD前兆の継続時間を1.3倍した値が、発生す
る地震の断層長(km)と一致」(124頁)とされている。
6.仮説
ではいったいなぜ基線の動きと地震が相関しているのか。
基線電圧値の年間変化をグラフ化した串田氏は、それがF層(電
離層)の臨界周波数の年変化と似ていることに気づいた。通常FM
電波を含む波長の短いVHF電波は電離層を貫通透過すると考えら
れているが、実際には100%透過するわけではない。電離層で非
常に微妙に散乱されたFM電波を観測し、それがペンレコーダーの
基線の動きに現れたと考えられるという。
つまり、地震の前兆現象として、電離層に何らかの変化が起こっ
ている可能性があるわけだ。
なぜ、地震の発生前に電離層が変化するのか。
氏はあくまで「観測者」として、観測データと地震の相関関係を
摘示することを目的としており、理論の解明は「研究者」に委ねて
いる。
しかし、次のような仮説も呈示している。すなわち、「地震発生
前に何らかの原因で地表に電荷が生じる。その結果、地表と電離層
が極板となって巨大な空気コンデンサーを形成し、電離層の電子密
度が変化する」というのだ。
7.感想
一知半解を恐れず、以下、素人的に感想を付け加えておきたい。
まず第一は変動パターンの「認識」にかかわる問題である。
「PHP新書『地震予報に挑む』の内容と同様、内容的には大分
古くなってしまっております。用語でも基線がウネル変動を以前は
CD変動と呼んでおりましたが、大気電気学会の論文でBF変動と
変更したため、現在はBF変動という言葉を使用させて戴いている
」という(cf68頁)
名称はともかく、串田氏も記すとおり、「観測された変動の理解
のしかたで、発生時期と規模の推定が大きく変わってしまう」こと
があるわけだ。
http://epio.jpinfo.ne.jp/1057/index.html
観測データの積み重ねとその結果を照合しながら認識パターンを
補正するのは当然のこととはいえ、結局のところ、串田氏の予測は
「変動の読み取り」にすべてがかかっているわけだから、一番根本
的な問題である。理論の解明が行われていないせいかもしれないが
、認識に伴う「不確定性」は否めない。
もっとも、一定以上の相関関係が認められるのだとすれば、観測
結果を無視することはできず、そもそも天気予報ですら絶対確実な
ことはないのだから、この点だけネガティブに捉えて観測作業を全
否定するのは妥当ではないだろう。
串田氏の著書を見ると、いわゆる偽相関の可能性についても検討
している様子が窺え、何より天文分野での実績を考えると、「観測
者」としての目や直感は侮り難いように思う。
それにしても、断層長の値Lkmと、連続BFの継続時間計hの
値がほぼ同じであるという観測結果が存在するというのは不思議で
ある。
Lとhの物理単位が違うのが実に奇妙だ。大雑把に想像すると、
連続BFが継続するということは、それだけ電離層で大きな変化が
起こっている。これはその後に起こる地震の規模に対応している。
その結果、時間と断層長(距離)が比例するということなのだろう
か。
もし、Lとhが必ずほぼ一致するのだとしたら、もっと直裁に
M=2(logh+1.8)
という「経験式」も成り立ちそうだ。
しかし、「この観測で評価される前兆マグニチュードとは、この
後発生する地震の規模そのものではなく、発生する地震の断層長の
総和と対応する」のだという(74頁)。
「だからM5±の前兆が観測されたからと言って、M5の地震が
一個発生するとは限らない。M3±の地震が10個発生しても断層
長の総和という観点からすれば、規模が調和してしまう」(同)わ
けだ。
この辺りの事情を解明するためにも、もっと大掛かりな観測実験
を試みる必要であろう。
蛇足だが、前兆初現から地震発生までのパターンを示す、時間と
前兆強度のグラフは、空洞輻射実験における振動数と強度のグラフ
に心なしか似ている。いわゆるプランクの公式と類似の数式化がで
きたりするのかもしれない、などとも想像を飛躍させてしまう。
8.「知らない」と「あり得ない」
『地震予報に挑む』は、無味乾燥な科学本ではなく、随所に串田
氏の熱情が溢れている。
以下、冒頭の一部を紹介しておこう。
天文学の世界では、大型の望遠鏡や分光器を持てないアマチュア
の天文家が、自分の環境で自分の力量で天文学に貢献しようとし、
またそれをプロの研究者が理解し、指導してくれたり資料をくれた
りというきわめてよい形が、現在まで進んできている。もちろんア
マチュアといえども、科学であるのだから、自分の観測の精度や報
告にはきっちり責任を持たなくてはならないが。
私は地震学の世界も、そんな天文学の世界と同じように考えてい
た。電波観測に現れた地震に先行する現象を発表すれば、地震学の
研究者が、より精密な観測装置を使って、私たちにはできないこと
をどんどん調べて研究を進め、数年後には地震予知が防災として使
用され、安心して暮らせる世の中になるであろうと信じたのである。
そこで一九九五年春、記者会見を行い新聞発表するとともに、お
世話になっていた国際基督教大学付属高校の物理の滝川洋二先生の
勧めもあって、物理雑誌への投稿も行った。しかし世の中は学歴優
先社会であり、新聞記者は名もない私などの発表を信用せず、電離
層や電波のことなど専門外の地震学者にコメントをもらいに行った
。すると、その地震学者から私のもとに数枚のFAXが届いた。一
見丁寧な文章で綴られてはいたが、そこには「地震前兆が電離層に
現れることなどあり得ず、あなたは流星がたくさん飛んだのを見間
違えただけだろう」という内容が書かれているだけだった。
どうして実際に観測しもせず、またデータを見にくることもなく
、「流星がたくさん飛んだのを見間違えたのだろう」などと言える
のだろうか? そしてなぜ「地震前兆が電離層に現れることなどあ
り得ない」と断言できるのだろうか? 地震学と電離層の変化は全
くかけ離れた分野であり、「わからない」というのが本当ではない
だろうかと思った。
いままで私が学んだ天文学者の方は、自分の知らないことは「知
らない」と言った。しかし、彼は「知らない」とは言わず「あり得
ない」と言ってきたのだ。観測事実を否定されたことは一生忘れる
ことができない。それと同時に、私は、失礼なことかもしれないが
、彼は科学者ではないと強く思ったのである(44ないし46頁)。
9.結語
公開天文台を開設して11年(当時)。わずかな収入のほとんど
を観測装置や設備に注ぎ込んできた串田氏夫婦の生活費は月数万円
。そんな状態にも関わらず、望遠鏡の操作が電波観測に影響を与え
るという理由で、ついに95年、串田氏は八ヶ岳南麓天文台の天体
観測一般公開業務の休止を決意する。
その後、「公開実験」を継続し、絶えず観測を検証しているのだ
から、その信念は並大抵のものではない。観測結果を世に問うため
、串田氏はあえてリスクテイクし、今回「一般公表」を行うという
、大きな挑戦をしているのである。
想像するに串田氏の実験にかかわる経費など、国家予算の規模か
ら見れば微々たるものに違いない。電離層の変化と地震の発生に一
定以上の相関関係が疑われるのだとすれば、まさに疑いがあるが故
に、問題の重大性に照らして、データの観測はもちろん、理論研究
の両方で、国を挙げて研究に取り組んでもよさそうなものではない
か。本当に「地震予知が不可能」かどうか、数年もすれば判明しそ
うなものである。
ともかく我々はとしては、目前の予測結果のみに目を奪われるべ
きではなかろう−ちょうど、「明日は雨」という天気予報を見て、
「当たらない」と愚痴をこぼしながらも、傘をカバンの中に入れる
ように、日頃注意を払うことのない防災に気を配ってみるのも悪く
はない。
<参考>「検討会」の日時、場所
■会名:FM電波観測で捉えた地震関連異常に関する検討会
■日時:2003年9月12日(金) 午後1時−5時
■場所:八ヶ岳ロイヤルホテル
■参加費:2,000円(会場借料、資料代)
■主催:SEMS(Seismic Electric Magnetic Signals, 地震電気磁
気信号)研究会
■会場へのアクセス
http://www.mapion.co.jp/c/f?el=138/24/38.437&scl=70000&pnf=1&uc=1&grp=all&nl=35/53/01.389&size=500,500
自動車利用・・中央道 長坂ICより約15分
JR利用・・・中央線小淵沢乗り換え、小梅線甲斐大泉駅下車
徒歩15分、タクシー約3分
中央線小淵沢駅よりタクシーで20−30分
八ヶ岳ロイヤルホテル
http://www.daiwaresort.co.jp/yatsugatake/index.html
■呼びかけ人
有馬朗人(東京大学名誉教授、参議院議員)
上田誠也(東京大学名誉教授、東海大学教授、理化学研究所地震
国際フロンティア研究リーダー)
研究討論会は公開だが、上田氏まで事前連絡が必要。
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情報発信者:野田敬生(hironari noda)
《引用者により、以下略》