現在地 HOME > 掲示板 > IT1 > 930.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: Microsoftの外交政策は“Linux中心” 投稿者 クエスチョン 日時 2003 年 9 月 09 日 22:40:17)
中国はスパイを恐れ、Linuxを選ぶ。 MSの政府向けソース開示、狙いは「中国」にあり?【記事2本】
中国はスパイを恐れ、Linuxを選ぶ
http://www.zdnet.co.jp/news/0209/26/cead_cooper.html
「ブッシュ大統領のスパイとして働くBill Gates氏」というイメージは全
くしっくりこない。だが本気でそう考えている人たちもいる。世界政治の
混迷がLinuxの追い風となる――?
これから皆さんが読むのは本当の話だ。
中国は、Microsoftのソフトの中に、米国政府が意のままに操れる秘密
のコードが埋め込まれていると考えている。万が一、中国と米国との間で
戦争が起きた場合、ペンタゴンの高官がスイッチに手を伸ばし――ここで
効果音――中国のコンピューティングインフラを転覆させかねない、と考
えているのだ。
ある中国人(申し訳ないが、名前は出せない)と話をすることが多い
Microsoftの上級幹部からこの話を聞いたとき、私はこのMicrosoft幹部が
冗談を言っているのだと思った。
だがそうではなかった。中国の一部の役人は、本気でそう信じているの
だ。
この種の機能の実装の方が、B2爆撃機の一連隊をそろえるより安上がり
なのは確かだ。Microsoftは略奪的独占者かもしれないし、米国政府は時
折ばかげた作戦――私のお気に入りは(CIAが)カストロに対し、髭が抜
け落ちる秘密の粉を使おうとしたという話だ――を用いるが、「ブッシュ
大統領の命を受けて作戦を遂行するBill Gates氏」というイメージは、ど
うにも頭に浮かばない。
だがこれは、もしあなたがLinuxディストリビューターだったら、偏執
狂がビジネスを生む好例だと言える。中国は以前からLinuxには好意的だ。
議論が国家の安全というテーマに発展したとき、誰が重宝されるか想像す
るのに(読心術マジシャンの)Amazing Kreskinは要らない。
中国に重要な研究所を置いているMicrosoftは、このことに特別の懸念
は持っていないのかもしれない。Bill Gates会長はいまだに、会いたい中
国政府首脳と面談できる。同社が中国を、大きな可能性を秘めた市場と見
ていることに変わりはない。
だが米国の技術系企業の大半が、常に母国との緊密な関係で見なされる
ようになると、陰謀理論家らは簡単に、SQL Serverには秘密のバックドア
が埋め込まれていると信じてしまう。
世界のそのほかの地域では、オープンソースを採用しようという主張に
は、もっと伝統的彩りがある。英国政府は最近、単一ベンダーのアプリケ
ーションに縛られることへの懸念から、オープンソースソフトを
Microsoftのソフトの代替として検討する、と述べている。ドイツ政府が
IBMおよびLinuxベンダーのSuSEと契約を交わしたのも、Microsoftの代替
となるオープンソースの選択肢を望んだからだった。
これは、メリットを求めての比較だが、もしMicrosoftが――いやシリ
コンバレーのすべての会社が――米国務省の代わりに入札していると見ら
れたら、どうなるだろう? ますます混迷を極める世界情勢の中、偏執狂
でなくても陰謀理論家は増えている。米ハイテク企業幹部と米政府の政策
立案者がこれまで、暗号化技術やスーパーコンピュータの輸出問題など、
いくつものハイテク政策をめぐって角を突き合わせてきたことを考えると、
全く皮肉な話だ。
明らかなのはこういうことだ。大企業と政府はオープンソースソフトに
対する恐怖を失いつつある。Linuxは誰の所有物でもなく、どんな国の、
あるいはどんな政治信条の代表でもない。企業のIT最高責任者の間では徐
々に、仕事がこなせるのであればOSは何でもいいという考え方が広まって
いる。
この計算式にさらに国際政治を加えると、たちまちのうちに、Linuxが
非常に魅力的に見えてくる。中国に話を戻すと、江沢民国家主席がある日
目覚めて全省庁にハードディスクからのWindows削除を命じるとは思わな
い。だが、陰謀理論家たちは口をそろえて、あなたにこう言うだろう。
「Linuxが、かつてないほど良いものに見えてきた」。
MSの政府向けソース開示、狙いは「中国」にあり?
http://www.zdnet.co.jp/news/0301/16/ne00_code.html
政府機関にWindowsのソースコードを開示するMicrosoftの新プログラムは、
セキュリティへの懸念を和らげ、オープンソースに対抗する目的もあるが、
中国など「秘密の裏口」を懸念する国家を安心させる「政治的」な意図も
あるようだ
米MicrosoftはWindowsのセキュリティへの懸念に対処するため、各国の
政府機関に同OSのソースコードを開示していく(1月15日の記事参照)。
同社は10の国家/機関と、コード開示の取り決めを既に交わしたか、あ
るいは間もなく交わす予定だと、同社のGovernment Security Program
(GSP)担当ワールドワイドマネジャー、Salah DanDan氏は話している。
「GSPは本日(1月14日)発表された世界規模のプログラムで、その目的
は各国政府に対し、Microsoftプラットフォームのセキュリティに自信を
持てるよう、必要なソースコードと情報を開示することにある」(DanDan
氏)。
同氏によると、このプログラムの下、政府機関はWindows
2000/XP/Server 2003/CEのソースコードの閲覧、このコードを利用した独
自バージョンWindowsの開発、通常は開示されないMicrosoftのセキュリテ
ィ文書の閲覧、Microsoft本社の訪問、Microsoft開発者との対話、
Windowsコードの独自テストが可能になるという。
ここ2年ほど、各国政府の間では、「プロプライエタリなソフトしか現
実的な選択肢がない場合以外は、オープンソースソフト(フリーソフト)
を採用する」と義務付ける法律を検討する動きが高まっている(2001年9
月の記事参照)。MicrosoftのGSPはそうした流れを受けてのもの。
各国とも限られたIT予算しか取れずに苦労していることから、こうした
流れに乗ってオープンソースソフトへの乗り換え準備を進める国家も出て
きている。特にブラジルはいち早くこの流れに加わり、また熱心に支持し
ている。またこれら国家の間では、セキュリティの懸念も以前から問題と
なっている。
Microsoftは、Linuxなど自社製品と競合するプロジェクトを支えるオー
プンソース運動とその理念を批判している。だがオープンソースコミュニ
ティは、自分たちが作ったソフトを、疑り深い仲間がきっちり調べてくれ
るという点で、Microsoftに勝っている。
Gartnerのアナリスト、Michael Silver氏は次のように語る。
「Microsoftが、人々がLinuxに目を向けそうな要因を減らしたいと思って
いるのは確かだ。GSPは(同社が)前よりも少しオープンになったところ
を見せようとする新たな試みのように思える」。
Microsoftは、同社以外の製品のソースコードが公開されているために、
同社のソースコードを閲覧したいという「関心が高まっている」ことを認
めている。同社は、ソースコードにアクセスした政府機関にその利用方法
を教えることで、オープンソースに対抗したいと話している。
政府機関が数百万行に及ぶソースコードを調べるのに、(Microsoftの)
助けを借りることもあるだろうが、Silver氏は、Microsoftは明らかにそ
れよりも広範な展望を心に抱いていると考える。同氏はGSPについて「か
なり政治的な性質のものだ」としている。
GSPは、「Windowsに“裏口”はないと示して、中国のような国家を安心
させる」上で役に立つ、とSilver氏。ここで言う裏口とは、国外の人間が
コンピュータを乗っ取ったり、コンピュータ内の情報を盗むことができる
秘密の入口のこと。
DanDan氏によると、GSPへの参加資格を持つ国は約60カ国あり、中国も
その中に含まれるというが、同国が参加しているかどうかは明かされてい
ない。
Microsoftは、懸命に中国の購入者および中国政府を取り込もうとして
おり、同国に海賊版の取り締まりを促しつつ、その一方で潜在顧客をRed
Flag Linuxなどに走るのを防ごうという紙一重の線を進んでいる。
セキュリティ問題はMicrosoftにとって頭痛の種で、同社の一部ソフト
について、Gartnerが利用を避けるようにとアドバイスしたほどだ(2001
年9月の記事参照)。GSPではMicrosoftプログラマーと話ができるように
なっており、これが「Windowsのソースコードの秘められた領域に、ほか
にも未公表の脆弱性が潜んでいるのでは」という懸念を軽減することにつ
ながるだろう。
GSPは、Microsoftの上級戦略/政策担当CTO(最高技術責任者)、Craig
Mundie氏が考案したもの。Mundie氏はもっと情報を開示してほしいとい
う各国政府の要望に応えていると、DanDan氏は語る。
「GSPは、Craig Mundieのプロジェクトだ。彼はここ数年このプログラ
ムに取り組んできた」とDanDan氏。Mundie氏は「世界中の政府職員と連絡
を取って何度か話をした。そこから、Microsoftのソースコードの閲覧/
アクセスをもっと拡大する必要性が出てきた」。
Mundie氏は、Microsoftのオープンソース批判の中で最もよく見かける
幹部だ。オープンソースソフトでは、プログラマーは自由にソースコード
を閲覧/修正/再配布できる。同氏はこのアプローチは不健全だとしてい
る。
DanDan氏によると、Microsoftは昨年夏の終わりから、各国にこのプロ
ジェクトへの参加を打診し始めたという。
同氏は、各国がどんな懸念に対処しようとしていたかについては詳しく
は語らず、おおざっぱに「セキュリティに関する懸念」と述べるにとどめ
ている。「Windowsの仕組みに関する情報がもっと手に入れば、Windowsプ
ラットフォームがどれだけ安全か自分で判断できる」と同氏。
Linuxのオープン性はMicrosoftにとってプレッシャーだが、採用ソフト
の決定にはオープン性のほかにも多くの要素が関わってくる。
Linuxの脅威を退ける上で、唯一Microsoftが対処しなければならない問
題は、もっとオープンになることだ。GartnerのSilver氏は、「政府機関
がLinuxに目を向け始めたのにはたくさんの理由がある。セキュリティ、
オープン性、裏口(に対する懸念)はその一部にすぎない。金の問題もあ
る」と語る。
Linuxなどのオープンソースソフトは、ペルーとドイツでは既に
Microsoftの地盤を浸食している(11月5日の記事参照)。
Linuxに加え、Microsoftの長年の敵であるSun Microsystemsも、政府機
関に「StarOffice」を無料で提供している。StarOfficeはMicrosoft
Officeのライバルで、オープンソースの「OpenOffice」プロジェクトをベ
ースにしている。StarOfficeの提供を受けたのは、中国、台湾、チリ、香
港など(9月18日の記事参照)。
Microsoftは「Shared Source Initiative」という別のプログラムの下、
既に政府機関/企業にWindowsのソースコードを開示している(2001年6月
の記事参照)。このプログラムのマネジャー、Jason Matusow氏は以前の
取材で、参加機関は、米国務省など複数の米政府機関、オーストリア、ス
ウェーデン、スイスなどとしていた。
「現実に、ソースコードの開示は一部の機関にとってメリットになる」
と同氏。
DanDan氏によると、Shared Source Initiativeの参加資格を持つ国は、
GSPへの参加が可能な国家の約半数だという。