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使ってないのに高額『パケット通信料』請求【東京新聞、8月10日社会面】
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20030810/mng_____sya_____012.shtml
携帯電話でメールやインターネットを利用する際の「パケット通信」の
高額な料金を、使った覚えがないのに請求されるケースが増えている。ネ
ットトラブル問題の専門家の間では「システムの死角を突いて不正に作ら
れた『クローン携帯』が原因ではないか」との見方が強まっている。
J−フォンを利用していた愛知県内の会社員の男性(42)は、別の機
種に買い替えた昨年八月、通話でしか利用しなかったにもかかわらず、パ
ケット通信料約二万七千円分を請求された。
その後も請求が続き、十一月以降は通話する時以外は電源を切っていた
というが、十二月分でも約九万四千円の請求がきた。
十二月分の利用明細書は三百ページを超し、平日でも連日午前中二−三
時間、午後は五−七時間もパケット通信をしていたとの記録が残る。
男性はJ−フォンに苦情を訴えたが、利用記録が残っているとして取り
合ってもらえなかった。
J−フォンは「電話や社内のシステムに問題はなかった。正常な通信に
対し正常な課金をした」としている。
しかし、インターネット通信のトラブル相談をしているNPO(特定非
営利活動)法人「日本情報保全協会」(大阪市)の木村耕一郎理事は、こ
うした身に覚えのないパケット通信は「クローン携帯の仕業である可能性
が高い」と指摘する。
同会によると、クローン携帯は、第三者が利用している携帯電話にパソ
コンを接続するなどして電話番号とID番号を読みとり、未登録の携帯電
話機に情報をコピーして作られるという。
J−フォンに限らず、身に覚えのないパケット通信料に関する同会への
相談は今年五月から目立ち始め、七月末までに二十三件。
うち十二件ほどが「電源を切った時間帯に使用履歴がある」などの特徴
からクローン携帯が原因とみる。
こうした指摘に対し、J−フォンの技術担当者は「一般の人がクローン
携帯を作るのは不可能」と断言する。情報を空の携帯にコピーするには、
専用の機械から社内のシステムに接続する必要があり、仮に社内の人間が
作ろうとしても、同じ番号を二台に与える「二重登録」はできないシステ
ムになっているという。
無線専門誌が「NTTドコモの特定の機種でクローン携帯を作った」と
の体験談を紹介したこともあるが、NTTドコモも「絶対にあり得ない」
と完全否定している。