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(回答先: 川辺川・ダム本体工事費計上せず 国の04年度概算要求 (熊本日日新聞) 投稿者 シジミ 日時 2003 年 8 月 27 日 23:45:48)
http://www.kumanichi.co.jp/kawabegawa/kiji/20030828.3.html
国土交通省の「強気」に陰り。二十七日、川辺川ダム建設事業費の二〇〇四年度予算の概算要求が、本年度に比べて五割削減され、ダム事業の行方は一層、視界不良となった。利水事業の見直し作業、県収用委員会の審理長期化など、本体着工にはハードルが立ちはだかる。県、球磨郡五木村、ダム反対派にも不安と期待が交錯している。
「川辺川ダム事業と利水事業の促進をお願いしたい」。国交省が減額要求した直後の同日午後、球磨郡町村会の首長と地元県議ら十一人が県庁を訪れ、潮谷義子知事に申し入れた。
会長の西村久徳五木村長は「苦渋の選択をした五木村民にとっては我慢できない事態だ」と厳しい表情だ。
ダム本体をのぞく周辺整備(生活再建)事業の進ちょく率は95%。国交省幹部は「地元の要望が強い生活再建事業は、責任を持って継続する」と明言する。
しかし、西村村長は「本体着工と連動しているダム湖周辺の整備事業もある。早くダム問題を解決し、新しい村づくりに没頭できる状況をつくってほしい」と注文を付けた。
■シナリオ狂う
国交省は〇一年末、県収用委に漁業権の収用裁決を申請。遅くとも、本年度中に収用裁決が出て、本体着工できると踏んでいた。
しかし、五月に川辺川利水訴訟で国が敗訴したため、利水事業は抜本的見直しに。新しい利水計画が策定できるのは来年秋以降となりそう。
県収用委の審理も一年以上ずれ込む見通しだ。このため、本年度の本体関連工事の発注は不可能と判断。省内では「シナリオが狂い始めた」との声も漏れる。
五年連続でダム本体工事予算を繰り越すことについても、ある与党関係者は「構造改革に伴う財政抑制が叫ばれる中で、財務省が繰り越しをすんなり認めるかどうかは疑問だ」と指摘する。
■中止への一歩
二十七日夕、県庁では利水事業見直しに伴う協議で、県と九州農政局、利水訴訟原告らが顔をそろえた。真ん中に座った県の鎌倉孝幸理事は「本体着工ができない状況下で(本体部分を予算計上しないのは)予想されたし、淡々と受け止めている」とした上で、「人吉・球磨の農家のため新利水計画の策定を緊急課題として取り組まなければならない」ときっぱり。
利水訴訟弁護団長の板井優弁護士は「川辺川ダムが緊急性のない事業ということを国交省が認めた結果だ。収用裁決申請を取り下げ、あらためて民意に耳を傾ける必要がある」と指摘した。
ダムに反対する市民団体からは「中止への一歩」と歓迎する声の一方、慎重な見方も。「子守唄の里五木を育む清流川辺川を守る県民の会」の中島康代表は「予算計上しなかったことは喜ぶべきことだが、国はダムをあきらめたわけではない。次の出方を注意深く見守りたい」と話した。
【写真】川辺川ダム建設事業の促進など管内の主な事業に関する要望書を潮谷義子知事(左)に手渡す球磨郡町村会長の西村久徳・五木村長=27日、県庁
熊本日日新聞 2003年8月28日朝刊掲載