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(回答先: Re:金融規律についての問題 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 8 月 09 日 21:13:00)
> 馬場さん。 レスありがとうございます。
即返ありがとうございます.
> それほど大問題とは思っていなかったのでびっくりしました。
> もし重要ということであれば、当分時間をとれないので、今簡単に要約しておきます。
はや...
> 「重層的信用創造の場(スキーム)を許容すれば、人は必ずそこに群がり、バブルを作り出す」というのは定理であると思います。
> 共同的資本主義社会でも変わりはないという認識を持っています。
システム的に穴が空いている可能性はありますが,共同的資本主義では「重層的信用創造」を
排除するというのが根本原則であり,到達目標でもあります.
> 株式を担保に無利子融資を受ける−融資金で株式を購入する−その株式を担保に無利子融資を受ける−その金で株式を購入する−保有株式全体の時価が高騰する−更に借り増しできる。
>
> このプロセスは、重層的信用創造プロセスの一種となると考えます。 市場への投入資金に正のフィードバックが働くからです。
>
> ここで、無対価、つまり調達コストがないことが問題になります。
> 調達コストがない資金が、重層的信用創造プロセスに投下されますと、正のフィードバックが働くだけではなく、「発散」する可能性
> があります。 このプロセスでは、配当金の妥当な額は無関係になり得ます。
まるきりぶっとんじゃいますね.
> もちろん取引税がブレーキになりますから、実際にはどの時点かで収束しますが、その収束時点は相当高いと考えるのが妥当ではないでしょうか?
効きが悪いのは確かですね.
> 無対価融資は、商品のリースに限定されるならば一般の福祉になりますが、もし多数の金持ちが重層的信用創造プロセスの利用を始めると、直ちに制御不能の暴走を引き起こすおそれがあるなというのが直感です。
その通りだと思います.
> 現在の社会ですと、株式の仕手筋が撤退敗北するのは、高金利を払えなくなったときです。
> これが無対価金融ですと、とてつもない高みにまで株価が上昇するでしょう。
完全にオーバーヒートしますね.
> 従って、無対価金融は、商品のリースに限定されるべきであり、金融商品を担保とする無対価金融プロセスは排除した方が良いかもしれません。
基本的にその方針だったのですが,ここにきてそれしかないと確信しました.
> 次の問題が残ります。 「住宅」が一種の金融商品となり得るという点です。
> 住宅は株式と同様に転売できるからです。 現在の日本の住宅土地は金融商品そのものです。
> 上のプロセスを、株式の変わりに住宅に置き換えても、同様のことが生ずるおそれがあるという点ですね。
有り得ますね.ただ,住宅の場合には取引税がもう少し効果的に効くのではないかという気もします.
> 住宅の転売を一定期間禁止するしかないんでしょうか。 これも住宅の性質からして良策かとうか。 それに資産処分の制限もできるだけ避けたいですよね。
原則的に担保に入っている物件の転売はできないと思います.(転売した代金で債務を同時的に清算す
る=抵当権を抹消するということは可能ですが.)買い手が付けば不可能ではないし,禁止すべきかどう
かという問題もあります.あっしらさんの提示された例では,抵当権自体を証券化しているみたいですね.
前便の最後のパラグラフに書いてますが,共同的資本主義のマネタリシステムでは『何かを担保にし
てお金を借りる』ことはできないようにしたいと思います.少なくとも無利子金融の対象にはなりません.
実際に何かを購入する行為と引き換えでなければ融資は実行されないということです.つまり,自分
が現に所有しているものを抵当に入れて借入することはできない.(所有しているものは売るしかない.
借りるためには買うしかない.)
これは本論の当座貸し越しの項の規定とは矛盾します.当座貸し越しは有担保で,追加の担保差し
入れができることになっていました.上記に従って,当座貸し越しの担保は定期預金のみとすること
にします.定期預金は有利子とし,中央銀行はこの定期預金資金を何らかの形で「運用」します.
> このシステムでは貸し手が一箇所ですから、そこで無対価金融の天井を制御すれば済む話かもしれません。
> しかし、それでは、融資を求める者を、時間順序で選別する(早いもの勝ち)ということになりますね。
> それでも良いのかもしれませんが。 自由主義ではなく資金配給制度に近づいてくるようです。
> 難しい点があるかもしれません。
いずれにしても無限に資金供給できるわけではありませんから,資金配分の基準が問題になります.公平性
を求めると,確かに「資金配給制度」という感じに近いものになってしまいます.政策的に優先順序を付けると
いう考え方もあると思いますが,そうするとほとんど社会主義と見分けが付かなくなってしまいます.
こんなのはどうでしょう?ローンの対象は基本的に商品に限定され,かつ市中金利と同程度の利子を付け
ます.返済が完了した時点でこの金利分を還付するというのはどうでしょうか?これは結局割賦金額が高く
なるということですから,実質的には(金利なしで)返済期間を短縮するというのとやや類似します.結果的
には,ある程度の経済(余)力がないとある金額の商品は購入できないということになり,敷居が高くなった
分,対象者の範囲が狭められるという効果があります.頭金を求めるという方法もありますね.むしろこの
方が筋がいいかもしれません.頭金を準備するということになると,まず貯金することが必要になります.
この預金は定額積金みたいな感じになりますね.これにも金利を付けちゃいましょうか?
まとめると: 無利子融資の条件は以下のようなものになります.
@借りるためには買うしかない → 購入物件には担保を設定することができる
A所有しているものは売るしかない → 自己所有物件を担保とすることはできない
B当座貸し越しには担保が必要である → 定期預金を担保とすることができる.
C無利子融資には担保と頭金が必要である
D無利子融資の対象は固定資産,機械・設備リースなど(証券などは除外)
市中銀行は営業を禁止されているわけではないので,有利子・有担保融資を実施することができますが,
金利面で無利子金融に立ち向かうことはできないので,昔の質屋のような役割に落ちぶれることになると
思われます.サラ金はもっと早い時期に(市中銀行との競争に敗れて)退場します.一応これで住宅・株
式などの転がしによる価格吊り上げ行為を防止できる大勢が整ったのではないかと思います.少なくとも
無利子金融をそのような目的のために使うことはできなくなったと思いますが,いかがでしょうか?
英治