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投稿者 アルファンド 日時 2003 年 7 月 16 日 20:16:17:

(回答先: ありがたい 投稿者 ななしさん 日時 2003 年 7 月 15 日 23:41:48)


俺も気分が良い。好意をストレートに伝えてくれるあんたのような人間が好きだ。
俺の泥だらけの感性がこれ以上汚れるかどうかは知らんが、確かに今はまだあんたと「議論」は出来ないと思う。だが、いつかはしてみたい。


俺は最近痛切に「議論」の意味を考え始めていた。「議論」とは、何だ?
俺が出した結論は、「目的を達成するためのよりよい手段・方法の模索」というものだった。つまり「目的」、あるいは「目的を達成しようとする意志」が無ければ何の意味も無い。思うに、『奴ら』はこれを活用することで全てを成し遂げてきたんだろう。「東インド会社」で初めて近代的意味での「企業」を生み出したのは『奴ら』だ。「企業」には利益追求といった明確な「目的」と「意志」がある。そして「会議」によって方向を定め、絶えず修正を繰り返しながら実際に「目的」を達成している。出来なければ、潰れる。「議論」とは、そういうある種の「組織」の中でしか意味を持たないはずなんだ。

しかし、恐らく『奴ら』は意図的に支配と収奪の対象である「大衆」が、「議論」と「討論」を混同するように取り計らってきた。共通利害に基いて“より確実性の高い目的達成方法”の検討を行うのではなく、「何が正しいか」を決めようと互いにわめきたてるだけの言い争い。そんなものが滅多に決まるはずがなく、また決まったとしても何一つ現実を変えられやしない。しかし、楽しい。かくして血気盛んな若者ほどこれにのめり込み、それがただの「お遊び」に過ぎないことから目を逸らした。「遊び」だなんてわかってちゃ、楽しめないからな。

何らかの監視を受けてるっぽいこの阿修羅でテロの計画を練るのは愚劣極まりない。ではここの議論板で何が出来るか。『奴ら』を力づくで倒す方法は多分無いし、そんなことをしても意味は無いだろう。俺たちに出来るのは、俺たちがそれぞれ勝手に『奴ら』のクビキから逃れるための“より確実性の高い方法”を模索すること。そのために必要な知識、近い例で言えば「消費税制の現状」を紹介するとか、戦争板・破産板などのナマの情報を解析した「論文」と呼べるようなまとまった思考の叩き台を公表するとか。それくらいじゃないだろうか。単純な意見交換や正否論争は十分に価値があるから雑談でやり、「他人の目」を期待しない散文・独白は中央線にお任せする。

以前の「あの質問」の直接の契機となったえくぼさんの文章(http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/179.html)では、「北米先住民の徹底した言論の機会」というものに強く興味をそそられた。そして思ったのは、インターネットはそのためにあるのかもな、ということだった。くどくど説明するのもあれなんで結論を言う。俺たちは、とにかくしゃべりまくらなきゃいけない。それもできるだけ偽らざる本心を語らなけりゃいけない。それが面白いとかつまんないとかは他人に任せてとにかく自分の想いを話さなけりゃならない。それをしなけりゃ、この世界を「どうにかする」なんてことは絶対に出来ないと思うんだ。多分あっしらさんがこの2年近くやってきたことはそれを直観した上でのことだし、明確に意識しないまでもみんなが分かってたことだろう。俺が今さら言うほどのことじゃあない。

俺たちの出来る「議論」はタカが知れている。だから「議論」に執着するのはやめよう。それぞれが心を開けっぴろげにしてそれぞれの「価値」を語る。そうしてこそ、『奴ら』の恐れる「絆」が生まれると思う。ネットの「絆」なんて、と冷めた目で見るのはもう止めよう。それこそ『奴ら』の思うつぼだし、それが出来なけりゃインターネットは結局本当の「文明の利器」とは言えないと思うんだ。俺たちはもう「分裂」する必要はない。ただ「違う」だけで良い。


・・・てなことをぼんやり考えつつ「責任の決着」を突きつけたんだが、なるほど、オマージュと来たか。
そうだよな。そうか、俺もそうやってバカなことしていろいろ学んで来たんだった。うん、落ち着いたよ。ヤツらにはヤツらのやり方があるし、俺には俺のやり方があった。それを思い出させてくれただけでも、これを始めたことに意義を感じる。うん、俺もヤツらのその先にあるものを見てみたい。特にDdog氏の得るものには強く興味を惹かれるな。生暖かい眼差しを注ぎつつ、期待して待つことにしよう。(しかし、ヤツはつくづく一流の釣り師だな。)

「スピン」を踊るのは退屈だ。だが踊らなきゃわかんねえこともあるし、踊ってみりゃ案外楽しいこともある。俺の手足の紐を握ってる誰か。しかし、きっと巡り巡って俺がそいつの紐を握ってる。俺の手の中の紐が俺の手足を縛ってる。何ともバカらしい話。とっととスルリと脱け出して、俺を躍らせたヤツに手の中の紐を渡してこう言おう。「俺は飽きた。続けたかったらこいつで頼む。」


『奴ら』もつまりはそういうことさ。自分を縛るのは結局自分。「克己」だとか「己を乗り越える」だとか「敵は自分自身だ」とか、昔の人の言ってたまんま。だから俺は『奴ら』を憎んじゃいない。でも、嫌いだ。それは簡単に「認める」だとか「受け入れる」だとか「愛してやる」で済む話じゃない。そんなんで済んじまってもつまらねえ。この「途方も無い自己嫌悪」、「自分」が相手なんだから一切の手を抜けねえ。全力で挑み、「勝ち」をもぎ取る! それでこそ「価値」。振り返ってみりゃ、これほど面白い「遊び」は無かったと思うに違いない。

俺たちはそれぞれの荷物を肩代わりすることは出来ないが、手助けすることは出来る。自分だけでどうにかするのは難しいし、それでどうにかしたってやっぱり結局つまらねえ。


てなわけで、ななしさん、本当にありがとう。あんたの言葉は読んでて実に刺激的。“いんすぴれーしょん”が湧いてくる。俺も言いたいことを言った。こっちも返事はいらないぜ。

じゃ、またな。

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