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(回答先: ｲﾗｽﾑ教地域についての初歩的な疑問 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 9 月 04 日 22:23:10)
こんにちは。アラブ妻と申します。
阿修羅は拝読するのが精一杯で（私には非常に難解で）、
投稿するのは勇気がいるのですが、興味のある国イランのお話なので、
ついつい口出ししてしまってます。。稚拙な文章をお許しくださいませ。
ご参考になるか分からないのですが、
エジプトの二代目故サダト大統領の著書を数ヶ所抜粋します。
これはサダト大統領が暗殺された１９８１年にエジプトの機関紙に掲載されたものです。
日本語翻訳版は、絶版となっています。
サダトはホメイニ師を公然と嫌っていましたし、
シャー（パーレビ国王）と親交が強くありました。
それを念頭にお読みくださいませ。
サダトはイスラエルと和平を結んだので、アメリカのスパイとか犬だとか
罵られましたが、エジプトでは今でも、サダト大統領のことを評価する声は
高いです。スター政治家といった印象です。
ホメイニ師について・・・・
「実際イランを動かしてきたのは、ホメイニ師を亡命先のフランスから
イランに連れ戻した連中である。彼らはホメイニ師の与党イスラム共和党本
部を爆破し、数十人の同師側近、党幹部を殺害した（イスラム共和党ＩＲＰ
爆破事件のこと）」
「共産主義者は強大な影響力をもっていた。ホメイニ師が連中の束縛から
脱しようとしたとき、彼らはその力を誇示するように、恐るべき警告をホメ
イニ師に与えた。イスラム共和党本部が爆破され、ホメイニ体制を支える最
も重要な人々が惨殺されたのである」
「ホメイニ師は連中を権力から遠ざけておくべきだったが、彼はそれを
怠った。１人の人物を権力の座に押し上げられるものは、いつでもその人物
をかんたんに権力の座から引き摺り下ろすこことができる。ホメイニ師はこ
のことを忘れていた。」
「狡猾な共産主義者たちは、大使館占拠（米大使館人質事件の）を
ホメイニ師から直接命令されたかのように言い張り、ホメイニ師指示なるも
のの重要性を鳴り物入りで宣伝した。このホメイニ師指示を口実に、連中は
政府閣僚や、さらには大統領が人質事件に介入するのを防げた。」
イラン政治について・・・
「現実の政治、行政におけるイスラム教の役割を研究史、最近この問題を
主題としたマフムード・メトゥーリ博士の著書を読んだ。メトゥーリ博士の
所論によれば、現実にイスラム的政治体制と呼びうるものは存在しない。」
「コーランのどこを探しても、制度としての大統領制や議会制度を呼びか
けている個所はない。それなのにホメイニ師は、何を根拠にして、イランの
現制度を「イスラム的制度」というのだろうか。かといってイランの制度は
立憲制度ともいえない。世界のどの国を見渡しても、大統領や国家元首より
も政治的に高い地位に置かれた人物はいない。いるとしたら人民だけである。」
「ホメイニ師を神格化するスローガンを教えられたイラン民衆は「神は偉大なり」
「ホメイニ師は偉大なり」と叫んだ。自らを神格化した１人の宗教的指導者
を、国家の最高指導者として受け入れることができるだろうか。しかもこの
人物は過失にたいして責任を負わず、自分の決定については疑問を許さない、
と主張しているのである」
「ホメイニ師が、抑圧と恐怖をイスラム革命と広言している以上、われわれは
彼に反対する立場を明確にするとともに、彼がけっしてイスラムを代表して
いないことを、彼自身に向かってはっきりと告げなければならない。」
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また「イスラム原理主義」といった言葉は難しいですね。
コーランとハディースの解釈の違いの中から、
一番厳格なものを原理主義といわれても・・・という気はいたします。
イスラムの原理というなら、
ある項目に関しては一番ゆるいものが原理かもしれないのです。
さて、現代イランに関してなのですが、テヘラン在住の友人の話ですと
報道などで見聞きするより、豊かなようです。
工業化も進んでいるのですね。
どの家にもパソコンや新車（イラン国産車）やエアコンがあり、
予測困難というかなり公平っぽい選挙制度もありますし（１５，６歳ぐらい
から選挙権あります）、アラブに比べればずいぶんと民主化されている印象
です。経済状況は決していいとはいえない状況下、近隣の難民もかなり受け入れていますね。
（私はイスラームと民主主義が抵触するとは思っていません。
理由はこちらに書かれているのと似ています。http://www3.aa.tufs.ac.jp/~masato/q_and_a.html）
非人道国だとは思えません。
数ヶ月前反政府デモがありましたが、イランでは毎年そのころは学生さんが
デモをやるとのこと。そういった学生は比較的裕福な家庭の、暇な学生で、
発散している雰囲気があるとも言っておりました。
ここはエジプトなどもそうですが、若年層の多い国は、日本などの先進国と違
う気はしますね。煽られやすいといいますか・・・・。
エジプトではデモは禁止ですが（事前了解制）、分かる気はします。
日本での温和なデモと違い、すぐにアメリカ大使館やマクドナルド、アメ車
など放火されたり爆破されたりします。
こういう行為はもちろん白い目で見られるので、みなデモ禁止をある程度支
持しているようです。
イランは貧富の差もありますし、経済停滞していることもあって、
欧米報道の「イスラムの圧政に人々が虐げられ、反政府運動が起こる」とい
うよりも「先進国のような経済的豊かさを望み、政治改革運動が起こる（イラン
は構造改革がうまくいっていないため）のだ」とも言っておりました。
女性も活動的で、高学歴なイメージあります。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。