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(回答先: Re: 読み書きソロバン 投稿者 ひ 日時 2003 年 8 月 27 日 22:53:20)
ひさん、金出氏の著書のご紹介ありがとうございます。
私は、米国の初等・中等教育の実態を知りませんが(米国大学院の経験はあります)、金出氏の論は、一般的な米国礼賛者の論とほとんど変わるところがないとの印象です。
金出氏は、
>「ああ、こういうことも考えなくてはいけないのか」と気づく。
と述べていますが、一般的に言って米国人は思考における他の選択肢を簡単に捨て去る傾向にあるように思われます。この典型として、米国におけるディベート教育の普及をあげることが出来ます。ディベートでは最初に白か黒かと決定しておき、他の選択肢は一切捨て去り、一方を擁護するためにあらゆる策を弄します。
金出氏が述べている米国式教育より、ディベート式思考の方が米国社会の本質を表しているのではないでしょうか。
また、米国の高等教育や大学院教育では膨大な読書が要求されることはよく知られています。膨大な読書量だけに注目して、多数の日本人が米国の高等教育を礼賛しますが、私の見方は異なります。
ある問題を追求する過程で膨大な読書を行うことは、もちろん必要です。しかし、多くの場合、米国の高等教育では一方的に読むべき書籍が指定されます。大学院においてさえもそうです。指定された膨大な読書を行うことにより、「ああ、こういうことも考えなくてはいけないのか」と気づかないように仕向けられます。これはある意味では、洗脳です。
この洗脳によって、国際関係論の分野で膨大な読書をした学生が、米国以外の国、特に第三世界に関する社会や文化に全く無知であると言う現象が生じます。もちろんこれは米国の対外政策に大きく反映しています。