現在地 HOME > 掲示板 > 不安と不健康5 > 470.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 消火方法分からぬ 自然鎮火待つのみ(中日新聞) 投稿者 Q太郎 日時 2003 年 8 月 22 日 08:18:49)
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20030822/mng_____sya_____003.shtml
突然、煙「逃げろ」
監視の消防士叫び
闇の中で、溶鉱炉のように不気味な炎と煙が上がる。二度の爆発事故で七人の死傷者を出した三重県企業庁所管の三重ごみ固形燃料(RDF)発電所=同県多度町=の貯蔵サイロが二十一日、丸ごと炎上した。住民は「なぜ消せない」と不安を隠さないが、消防は「再々爆発するかも」と消火を断念、放水が危険を招く皮肉な現実への無策がさらけ出された。このまま焼け崩れ、燃え尽きるのを待つしかないのか。
「逃げて!」。二日前に二人の消防士の命を奪った三重ごみ固形燃料(RDF)発電所の貯蔵サイロから二十一日夕、再び不気味な黒煙が上がった。
「煙、煙っ」。午後五時すぎ、貯蔵サイロから突然、煙が立ち上った。円筒形のサイロの周囲を監視していた桑名市消防本部の消防士の大きな声が響く。
敷地内では県企業庁長らが報道陣に消火活動の見通しを説明する記者会見が行われていた。「爆発の危険性があります。避難してください」とアナウンスが流れ、報道陣にも緊張が走った。現場調査中の四日市労働基準監督署などの六人は炎上の瞬間を目撃。「それまでの白煙が急に黒煙に変わり、パリンと何かが割れるような音がした。そしてパーンと小さな音が続いた」
県企業庁職員や発電所の管理を委託された富士電機の社員らが慌てふためき、施設の外に逃げ出した。サイロ近くの管理棟から走ってきた県企業庁の男性職員(43)は「爆発はもう嫌だ」と疲れた表情で話した。
上空では、報道各社のヘリコプターが旋回。サイレンを鳴らしながらポンプ車やはしご車が施設内に次々に入り、騒然とした雰囲気に。近くの住民らが施設の玄関前に訪れ、不安な表情でサイロを見つめる姿もあった。
日が暮れると、煙が暗闇に浮かび上がり、RDFが燃える貯蔵サイロの上部付近だけが赤っぽい光を放っていた。
「決して外出せず、窓の近くにも寄らないようにしてください」。突然のサイロ炎上で、三重県企業庁は施設周辺の半径五百メートル内にある同県桑名市、東員町の住民四十五世帯に外出を控えるよう注意を促した。
職員六人が三班に分かれて付近の家々を一軒ずつ回り「これから消火作業に移ります。万が一爆発する恐れもある」と呼び掛けた。
だがその後、消火作業は断念され、住民は相次ぐ事故やトラブルにあらためて不安と怒りをあらわにした。
桑名市嘉例川の主婦、伊藤美咲子さん(49)は「自宅に被害が及ぶことはないと思っていたのに、こうして職員が来ると、とても不安。可燃ごみをリサイクルする素晴らしい施設のはずなのに、なんでこんなことに」と、戸惑った様子をみせた。
同所の公務員男性(48)は「施設を造ること自体反対だった。もう操業はやめてほしい」と怒りをにじませた。
施設から三百メートルほど離れた東員町穴太に約九千九百平方メートルの土地を持つ地主の男性(52)は「こんな事態が続けば、周辺の土地へのイメージも悪くなるばかりだ」と疑問を投げかけた。
東員町は同町笹尾の笹尾コミュニティーセンターを避難場所に一時指定したが、訪れた住民の姿はなかった。
■出産予定の妻ら目頭を押さえ…
十九日の爆発事故で消火活動中に亡くなった桑名市消防本部の消防士二人の通夜が二十一日夜、三重県桑名市の斎場でそれぞれあり、遺族や消防関係者らが故人の無念の死を悼んだ。
南川平・消防司令長=当時(47)、同県大安町大井田=の通夜には約二百人が参列。長男の真吾さん(21)は「事故原因をめぐり、消防と県、富士電機の関係者が責任をなすり付け合っており、悔しくてならない」と怒りに声を震わせた。
また、川島章・消防司令補=当時(30)、桑名市大山田八=の会場にも、約二百人が詰めかけた。父の浩さん(61)が「無念の一言。消防士は立派な職業だが、亡くなってしまえば、もう人を救えない」と言葉を詰まらせた。今秋に出産予定の妻の貴子さん(32)は時々目頭を押さえながらも気丈に喪主を務め、周りの涙を誘った。