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(回答先: 07年郵政民営化へ法案提出の考え 首相、総裁選へ意欲 −朝日新聞 投稿者 怪傑 日時 2003 年 7 月 30 日 00:43:37)
小泉純一郎首相が29日の記者会見で、自民党内に異論が強い郵政民営化を党総裁選の争点に据える姿勢を鮮明にしたことに対し、反小泉勢力を中心に反発の声が相次いだ。一方、同勢力と首相の融和を探ってきた森喜朗前首相、青木幹雄参院幹事長らは、首相が挑発を繰り返すことに、苦り切っている。
「議会制民主主義も、議院内閣制も完全に否定した恐ろしい言い方だ。国会の審議権にかけても、民営化は容認できない」。郵政族のボスである野中広務元幹事長は、首相を厳しく批判した。
江藤・亀井派の江藤隆美会長も「民営化して、何を得するのか。過疎地域では、郵便局がなくなる」と反発を強めた。山口俊一元郵政政務次官も「郵貯、簡保には、国債を大量に買ってもらっている。論外の議論だ」と語った。
批判の声は首相を支える山崎派からも漏れた。郵政族でもある同派幹部は「首相の言う『民営化』はイメージがはっきりしない。完全な民営化なんてあり得ない」と不快感を隠さなかった。中堅議員は「総裁選の『選挙戦術』の1つだ」と切り捨てた。
一方、小泉首相が円満に再選するシナリオを描いている森、青木両氏らは苦しい立場に立たされた。特に、青木氏は28日夜の首相との会談で、党内融和を働きかけたばかり。29日午後の記者会見では、「『また持論(の民営化)を言われたな』という感じで受け止めています」と平静さを装ったが、「断固戦うというのはおかしい。首相もあまり挑発的なことは言わない方がいい」とクギを刺した。
首相会見で、政策転換を重ねて否定したことも、党内の反発を招いている。政策転換を条件に首相再選を支持する姿勢を打ち出している堀内光雄総務会長は周辺に「『子(堀内氏)の心、親(小泉首相)知らず』というのもあるんだなぁ」とぼやいた。昼前に会談した野呂田芳成元防衛庁長官に対しては、「首相会見は無茶苦茶だ」と怒りをあらわにした。【前田浩智】
小泉純一郎首相は29日の記者会見で、自民党総裁に再選されれば、07年4月から日本郵政公社を民営化をするため、自らの任期中に法制化する方針を示した。だが、民営化構想は自ら作った懇談会でもまとめ切れなかったテーマ。この段階で郵政民営化を打ち上げたのは、総裁選をにらんで、再び「抵抗勢力」の反発を誘い、自らの改革姿勢をアピールする選挙戦術とみられる。
郵政民営化が持論の小泉首相は就任後、私的諮問機関「郵政3事業の在り方について考える懇談会」(田中直毅座長)に検討を任せていた。
懇談会は1年かけて議論したが、構成メンバー間で意見がまとまらず、(1)政府が株式を一定程度持つ特殊会社(2)郵便、郵貯、簡保の3事業を維持する完全民営化(3)郵貯、簡保を廃止する完全民営化――の3案を提示し、02年9月に解散した。3案は手つかずのまま放置されている状態だ。
道路公団民営化の手順にならえば、法制化作業は総務省が担うことになる。しかし、同省郵政行政局では「寝耳に水。省内でも『また総裁選向けに持論を言っているな』とうわさした程度」といぶかしがっている。
郵政事業庁は今年4月に公社化されたばかり。1年近く民営化論議が休眠していたところへ、唐突な宣言を受けて、首相周辺さえ「何の指示もない。事前に考えていたのかなあ」と当惑する。
小泉首相の郵政民営化論は、3事業のうち郵便に集中しがち。総資金量357兆円を超える郵便貯金と簡易保険の民営化が何を意味するのかについては真意が不明だ。
本来、民営化の狙いは財政投融資改革にあるが、02年度の資金運用実績を見ると、国債の購入が3分の1の117兆円にのぼり、国の財政赤字を下支えしている。
首相が記者会見で「私は公社は民営化への第一歩と位置付けているが、党内の多くが公社化までて改革は終わったと言っており、これが意見の分かれるところだ」と指摘したのは、「小泉VS抵抗勢力」の構図をつくり出そうとしているためとみられる。郵政族の一人は「首相は民営化論で凝り固まっている。うかつに論じても、彼の方がアピール上手」と肩をすくめた。【平元英治】
[毎日新聞7月29日] ( 2003-07-29-20:31 )