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◆2003年7月25日 金曜日
日本経済におけるバブルの発生とバブルの崩壊の分析を進めていくと、日本経済の舵取りが日本独自の判断で行うことが出来ず、絶えずアメリカからの指図によって行ったことが原因となったということが分かります。80年代日本はアメリカから内需拡大の圧力を受けます。そのために大蔵省と日銀は大幅な量的金融緩和を行います。銀行に対して貸し出し枠の拡大と消化を迫ったのだ。いわゆる日銀の窓口指導です。
資金が市中に大量に供給されれば内需が拡大されるとの読みからですが、確かに景気は良くなり、日本中は開発ブームでゴルフ場やリゾートが作られた。そして土地や株式が高騰した。明らかに景気は加熱状態になったにもかかわらず、大蔵省、日銀はなかなか景気の引き締めに乗り出そうとしなかった。
大蔵省、日銀は一般の物価の高騰がなかったと言い訳をしているが、ブラックマンデーなどの異変があったアメリカからの圧力で金融の引き締めが出来なかったのだ。金融を引き締めればアメリカの株式が大クラッシュする恐れがあった。その結果、日本は空前の大バブルが発生した。日本からの投機資金はアメリカの主要なビルを買い占めるほどだった。
三菱がロックフェラーのビルを買ったのもその頃だ。正確に言えば買わされたのだ。最終的に三菱は数千億円の損失を出してビルを売却している。よく考えてみれば日本の資金がアメリカの不良債権を高く買わされたのだ。また高く買わせることでアメリカの銀行は窮地を脱した。
昨日の株式日記で書いたとおり、シティーバンクは日本に不良債権を「高値」で買ってもらうことにより窮地を脱した。遅ればせながら日本政府は90年代に入って引き締めに入ったが、不動産への総量規制など最悪のバブル崩壊手段をとった。大蔵省、日銀が急激に資金供給を止めたから株そして不動産は5分の1に暴落した。その結果金融機関は大量の不良債権を抱え、アメリカのハゲタカ資本が「安値」で買いあさっている。
このように日本はアメリカからたえず金融緩和と内需拡大を要請され続け、景気引き締めの許可が出る頃は手遅れとなった。日本独自の経済運営が出来なかったことがバブル発生と崩壊のメカニズムだ。そしてどういうわけか日銀はバブル崩壊後も金利はゼロまで引き下げたが、量的な緩和はしようとしなかった。
これはアメリカから円安にすることはNOと指令が出されていたからだ。日銀が紙幣を刷りまくり国債や株式を買って市中に資金を供給すれば景気は良くなり、円はインフレ懸念で値下がりすることは分かっていても、米英の権力中枢からは許しが出なかった。そして「構造改革」こそが景気回復の唯一の手段と日銀は突っぱね続けた。
日本には独自の政策提言が出来るシンクタンクがない。あってもバカ役人の天下り先となって機能しなくなってしまう。必然的に政府は米英のシンクタンクの提言を受け入れるようになる。これではいけないと思って私は「株式日記」を書き始めたが、ようやく政府や日銀も私が提言したり紹介した政策をとり始めている。
陰謀とは暴かれた時点で失敗したと言える。だから出来る限り政府がとる、おかしな政策の背景を暴いてゆけば、それに対する対応策もとりやすくなる。小沢一郎自由党の動きも米英権力中枢の指令のままに動いているのだろう。かつて小沢氏は病気治療と称して頻繁にイギリスへ出かけた。しかし今も元気に活動しているところを見ると心臓病ではなかったようだ。
◆2003年7月24日 木曜日
「株式日記」と銘打っているので、久しぶりに株式のことを書いて見たいと思います。日本経済は今年の5月で底を打ったのだろうか。日本経済の流れが変わったと言えるのだろうか。りそなへの公的資金2兆円が流れを変えたのだろうか。とても小泉内閣の経済政策が大きく変わったとはいえない。
今回の株の高騰はユーロ高に伴う円安で、ヨーロッパからの株式買いが入ったためと思われる。福井日銀総裁による史上空前の1ヶ月間だけで4兆円に及ぶドル買い介入で、円がドルに連動した形で安くなり、ユーロの独歩高となった。もしも福井総裁がドル買い介入していなければドルの独歩安となり、アメリカの株と債券も暴落していただろう。
ユーロ高に伴ってヨーロッパへの輸出企業は円安差益を得て業績は向上した。日銀のこのような為替市場への円売り介入は輸出企業への補助金とみなすことが出来る。その反面輸入企業は見えない税金を納めさせられている。輸出企業の多くはすでに円高シフトが出来ており、円高になっても耐えられる体質になっているはずだ。
ユーロの誕生が日本の為替政策に有利に働いている。今までは外貨をドルで運用するしかなかったが、ユーロでも運用できることにより、アメリカがドル安政策をとろうとしたら、ドルからユーロに切り替えてしまえばいい。アメリカ市場以上に大きな市場が出来たのだから、合理的な選択のはずである。
だからアメリカも慌ててドル高政策に戻らざるをえなくなった。今までは基軸通貨がドルだけだったのでアメリカはその利益を独り占めできたが、無茶なドル安はドルからユーロへ切り替えさせるだけだからだ。世界の資本家はドル一本やりからユーロ、そして円へと資本をシフトしてくるだろう。
ドルの無茶な切り下げが出来ない以上、中国の元などを高くさせざるを得なくなる。スノウ米財務長官は中国の元安に触れるようになった。中国の無茶苦茶な元安が世界をデフレに陥らせている。中国にとっても国内投資の面から元を高くしていくほうが有効になってきた。日本のように外貨だけを積み上げるより、投資で産業基盤を整備しなくては国内格差が解消できない。
日本経済はアナログからデジタルへの大転換をむかえて、再び日本が経済大国の時代をむかえようとしている。テレビもデジタル、ビデオもデジタルDVD、カメラもデジタル、と日本の独占商品が本格的な普及時代に入った。今まではデジタルはパソコン周辺に限られていたが、家電もデジタル化の波に乗った。だから再び日本の時代もやってくるのが近いだろう。
これで金融不況が収まれば一番影響が大きいのは銀行、不動産などの業種が復活してくるだろう。ハゲタカ外資もゴルフ場や不動産などを買い捲っている。べつに彼らは大したリストラ出来るわけではない。5年後10年後のキャピタルゲイン目当てで買っているだけだ。新生銀行もあおぞら銀行も再上場すれば数兆円単位の利益をハゲタカ外資にもたらす。その時期は近い。
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu50.htm