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(回答先: Re: 日銀の福井総裁「日本に根ざした新しい経済学が必要」 [読売新聞] 投稿者 ミミズ 日時 2003 年 7 月 17 日 00:31:32)
ミミズさん、こんにちわ。
福井日銀総裁の発言を好意的に受け止めると、従来の経済学(すべて輸入物)では現状の日本経済を解析できないから新しい経済学が必要だということになりますが、斜に構えると、日銀総裁としての自分の無能を経済学の不十分さにすりかえるものということになります。(日本経済は金融政策だけでどうこうできる症状ではありませんが...)
どういう脈絡で出てきた発言かもわからないし、「夢も文化も伝統も違う」ことを根拠にしているだけですから、福井氏がどのような経済学を考えているのか推測できません。
「近代経済システム」(中央銀行制度+近代資本制産業+貨幣経済の普遍化)のすごさは、夢・文化・伝統の違いを捨象して、内在する経済論理を無慈悲に現実化することにあります。
(経済事象が、自然現象であるかのように見える経済システムです)
経済論理に違背する経済活動や経済政策を実施すれば、破綻したり国民経済が低迷することになります。
経済学(経済論理の説明体系)は、夢・文化・伝統の違いを超えて構築することができます。
夢・文化・伝統の違いは、経済論理を部分的に修正したり“歪み”を与えるものでしかありません。
「近代経済システム」を経済社会とする限り、多国と異なる夢・文化・伝統を実現したり維持しようと思ったら、経済論理を踏まえながら、それらにふさわしい経済政策を選択しなければなりません。
もちろん、既存のデタラメな経済学より的確な経済学が構築されれば、目的的な経済政策の有効な選択に大きく貢献します。
同じ経済論理が貫徹していても、経済政策の違いによって、現れる国民経済の姿形は大きく変わります。
夢・文化・伝統の違いは、経済政策の差異に現れるものであって、経済学の差異につながるものではありません。
ともかく、日銀総裁が、既存の経済学では日本の現状を解釈したり処方箋を書くことができないと表明したことには意義があると思います。
どういう経済社会を築きたいのか、「近代経済システム」はどういう論理で動いているのかという重要な二つのテーマに関する回答が、日本のみならず世界に求められていることは確かです。