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(回答先: 赤字理由に仏がユーロ財政基準の緩和要求、各国が反発 [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 7 月 17 日 17:32:09)
7月16日(ブルームバーグ):赤字が取り持つ奇妙な縁・・・。それは、米国とフランスのことだ。財政赤字を容認するという点で、両国はやっとお互いに意見の一致を見いだしたようだ。
欧州連合(EU)には財政赤字に厳格なルールがあり、対国内総生産(GDP)比で3%を超えることはどの加盟国にも許されていない。問題は、EU 15カ国の経済規模の半分を占め、域内の中核であるフランスとドイツの両国がこの財政協定に最も大きく違反している点だ。そもそもこの財政協定を1995年に提案したのはドイツだ。それなのに、同国の昨年の財政赤字は対GDP比で 3.6%となり、ことしも同3.5%となる見通しだ。
フランスも、財政赤字は昨年の同3.1%から、ことしは同3.6%に拡大するとみている。ところがシラク仏大統領は、赤字削減に取り組む代わりに、各国政府が減税と歳出拡大できるよう財政協定の一時緩和を呼び掛けている。スノー米財務長官も同大統領を支持した。これは、ほかのEU加盟国にとっては悩みの種になろう。
不安定協定?
EUの財政協定はよりによって、「安定・成長協定」と呼ばれている。確かに、財政政策に厳しい制約を課すことで加盟国の財政赤字が抑制され、安定性が高まるとの議論もある。それは本当だろうが、異なる状況も考えられる。この協定は、政治的な不安定につながるということだ。例えば、ある加盟国が深刻な不況に陥った時に、政治指導者がEUの協定を盾に取り、何も対策を打てないと言えば、国民からの風当たりが強まるのは間違いない。
安定を意味するこの協定は、低迷する域内経済がさらに悪化すれば、EUの崩壊を招く恐れがある。シラク仏大統領は増税や歳出削減の可能性を断固として否定、15日には「仏政府の減税継続を望む」と言明した。「リセッション(景気後退)が始まるような政策を主導することはできない」という明確な理由からだ。
減税の信奉者であるスノー米財務長官は、仏大統領によるこうした安定・成長協定の一時的な緩和要請を評価している。同協定をめぐる議論は、欧州大陸の景気浮揚に向けてEU加盟国間に大きな意欲をかきたてる可能性があるため、健全だとスノー長官は言う。
ブーメラン
EUはフランスに対し、財政赤字を軽視し続ければ制裁措置を発動すると警告している。しかも、フランスの秘蔵っ子とも言われ、欧州中央銀行(ECB)の次期総裁に内定しているトリシェ仏中銀総裁でさえ、今後EUに加盟する国には財政赤字の上限は必要だとの見地から、同協定を擁護している。
加盟を目指す国に財政赤字の上限を課すのであれば、フランスが規制から外れることなどあり得るだろうか。確かにトリシェ総裁には一理ある。ほかの立場を取っていれば、トリシェ氏は次期ECB総裁の内定は取り消されるだろう。だが、財政協定を支持したことでフランスやほかのEU加盟国が積極財政を取ることを事実上抑止している。
トリシェ総裁は今、微妙な立場に置かれているのかもしれない。しかし、ECB総裁に就任すれば、もっと厄介な立場に立たされる可能性もある。欧州経済が速やかに回復しなければ、非難の矛先はトリシェ氏とECBに向けられるからだ。(デービッド・デローザ)
(注:デービッド・デローザ氏は、米デローザ・リサーチ・アンド・トレーディング社長で、エール大学経営学部助教授を務めています。同氏の意見は必ずしもブルームバーグ・LPとブルームバーグ・ニュースの見解を表すものではありません)
ニューヨーク David DeRosa 東京 守護 清恵 Kiyoe Shugo
Last Updated: July 17, 2003 02:51 EDT
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=avYwPWIObYqk&refer=top_kaigai