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UBS証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Securities Japan Ltd.)は今日のポイントとして、「国債管理政策強化でさらに日銀の出番」を挙げる。
<デフレ下でも長期金利が反転上昇する?> 債券価格の高止まり状態が継続している。デフレの長期化を織り込んだ動きであるとの見方が示されることが多い。しかし、「デフレ期待が根強い状況であっても 、長期金利が反転上昇しないとは限らない」と語る。デフレ経済が深刻化する中で、政府債務残高の発散的な拡大のリスクは着実に高まっており、市場としてそれを無視し続けられるのか、という問題があるからである。
<理論的には、財政破綻の確率が高まっている> 実際、03年度の国のプライマリーバランス赤字・GDP比率は4%台に載せる可能性がある。これは、戦後最悪であった1979年度に匹敵する水準である。さらに、今年度も年度後半からはある程度景気が回復するとは言え、名目成長率は高く見積もっても、マイナス1%強がいいところである。「長期金利の低下余地が限られている状況では、名目成長率と長期金利水準の逆転幅を縮小させるにも限界がある」。マイナスの名目成長率が常態化し、プライマリーバランス赤字の拡大が進んでいるとなれば、「理論的には、財政破綻の確率が高まっている」ことになる。市場が 、「政府債務残高が中長期的に拡大する可能性を徐々に織り込みはじめても不思議ではない」
<政府は、来年度にかけ財政健全化推進を一段と明確化> こうした状況で、政府・日銀は、財政健全化路線の強化を目指してくるのではないか。悪い金利上昇を回避する最も有効な手段は、プライマリーバランス赤字の 拡大を抑制することである。政府は、来年度にかけての財政政策運営について、 健全化推進のスタンスを一段と明確にする可能性が出てきている。@地方への税源移譲による交付税削減、A公的年金に対する課税の強化、B緊縮的な一般会計歳出の維持、などが柱になる。
<日銀からは、まだまだ新たな政策対応が出てくる> しかし、政府・日銀は、株価の長期低迷状態からの脱却も目指さなくてはならない。「資産デフレ深刻化が税収に与える影響を無視し得なくなってきた」からである 。債券市場の需給状態を悪化させずに、株価対策を進めるとすれば、それは、「国債PKO政策を強化した上での、日銀による信用リスク資産購入メニューの拡大しかない」と言う。日銀は、@市場流動性規模の拡大とA信用リスク資産の購入拡大を同時に実行することになる、と見ている。なお、国債PKOについては、秋に補正予算の議論が出るのと同タイミングで、輪番オペの月額2000億円の増額が実施されると予想する。緊縮的な財政運営が継続する下で、「日銀からは、まだまだ新たな政策対応が出てくる」ものと読む。