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6月月例報告:景気判断を5カ月ぶり下方修正−「一部に弱い動き」 [ブルームバーグ]
http://www.asyura.com/0306/hasan27/msg/619.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 17 日 21:12:24:


6月17日(ブルームバーグ):竹中平蔵経済財政・金融担当相は17日夕の月例経済報告などに関する閣僚会議に、6月の月例経済報告を提出した。報告は景気の現状について「このところ一部に弱い動きがみられる」とし、判断を5カ月ぶりに下方修正した。一方で、大局的には大きな変化はないとして、「おおむね横ばい」の表現は残した。

先行きについては、「米国経済などの回復が持続すれば、景気は持ち直しに向かうことが期待される」とし、メーンシナリオは変えていない。内閣府では、米経済は年後半には回復に向かうとの見方から、「一部の弱い動き」は一時的な様相が強いとみている。また景気は上り階段の踊り場的な状況で、新たに後退局面入りしたという認識ではない、とも強調している。

今後の懸念材料として報告では、米経済、アジア経済などの不透明感による日本の最終需要下押しを指摘した。前月に懸念材料として挙げていた重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響は報告文からは削除したものの、内閣府では引き続き注意は必要だとしている。

こうした状況を受け、政府は持続的な経済成長の実現のため、引き続き構造改革を推進するとあらためて表明。そのため6月中をめどに、経済活性化や、国民の安心の確保、持続可能な財政の確立などを目指し、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003(仮称)」をまとめる方針を明記、引き続き日銀と一体となり、金融・資本市場の安定やデフレ克服に、強力かつ総合的に取り組む姿勢を強調した。

個別項目では、輸出のほか、設備投資、企業収益、国内企業物価の判断を下方修正した。倒産については、前月の「おおむね横ばいで推移している」から「緩やかに減少している」に上方修正した。輸入については、前月の「緩やかに増加している」から「横ばいとなっている」に表現を変えた。

下方修正にも二通り

内閣府は、今回の月例経済報告に当たって景気の基調判断の仕方を具体的に記者説明した。それによると、毎月の経済指標の動きから、個別指標の一時的な要因や特殊な要因による部分を除いた結果浮き彫りにされる景気の基調を総括文に明記する。具体的には、前月に比べて景気にとってポジティブなら「上方修正」、ネガティブなら「下方修正」となり、どちらでもなければ「据え置き」となる。

さらに「上方修正」や「下方修正」の場合は、先行きの動向などもみて大局的な見方も加える。判断が短期間で反転し、元に戻る可能性が十分ある場合は、「景気の基調を大局的にみた場合、大きな変化はない」とし、短期間での反転もなく元に戻る可能性があまりない場合は「景気の基調を大局的にみても、変化がみられる」とするという。

同府は、今月の判断については「前月に比べ下方修正。大局的にみた場合、大きな変化は見られない」に相当すると説明し、後退局面入りではないとの見方を強調した。

輸出「横ばい」−下方修正

個別項目では、これまで景気の景気回復をけん引してきた「輸出」については、「横ばいとなっている」とし、前月の「緩やかに増加している」から判断を後退させた。

輸出数量は4月に前月比減1.3%減とマイナスに転じた。米国向けは、自動車が国内販売台数の動向に見合った程度にとどまり横ばいとなっているほか、EU向けは自動車輸出増加が一服しこのところ減少。アジアは、中国向けが堅調に推移しているものの、全体では減少している。

先行きについて報告では、米国の景気回復が弱いほか、SARSによるアジア経済への影響など輸出をめぐる環境が厳しいことから当面は横ばいないし、弱い動きとなる可能性がある、としている。ただ内閣府では、輸出が落ち込むリスクがあるというほどの段階ではないと説明している。

企業収益「改善テンポ緩やかに」−判断下方に

企業収益については、前月の「改善している」から「改善が続いているが、そのテンポは緩やかになっている」との判断に下方修正した。

財務省発表の法人企業統計季報をみると、1−3月全規模全産業の経常利益は前年同期比10.0%増加した。人件費削減など企業のコスト削減努力などにより増益が続いている。ただ、前期の同22.7%増から伸びが鈍化し、季節調整済み前月比では3.1%減とマイナスに転化。国内需要が弱いなかで、米国経済の回復の弱さなどを背景に、輸出急増が見込める状況でもないため、企業収益の前年比2ケタ増が続くかどうか見守る必要がある。

企業収益の伸びが鈍化していることを受け、企業の設備投資の判断は「持ち直しの動きが緩やかになっている」として、前月の「持ち直している」から下方修正した。法人企業季報によると1−3月の全産業の設備投資は、前期比2.0%減と前期の同3.4%増から減少に転じた。

報告では設備投資の先行きについて、当面緩慢なものにとどまると見込まれるが、外需をはじめとする最終需要の先行き不透明感が払しょくされれば、再び持ち直しに向かう、としている。

アジア「韓国、台湾などで減速」−下方修正

世界経済についての判断は、「アジアの一部で景気拡大が続いているものの、世界の景気回復力は弱まっている」とし、前月から下方修正した。

アジアについては、「中国、タイなどで景気は拡大が続いている」と指摘したものの、「韓国、台湾などで減速している」とし、基調判断を下方修正。米国は前月と判断を変えず、「弱い景気回復が続いている」とした。欧州は「ユーロ圏の景気は弱い状態となっており、英国では景気は減速している」とした。

東京 青柳仁美 Hitomi Aoyagi

Last Updated: June 17, 2003 04:51 EDT

http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000002&sid=abkD25xJBlGk&refer=topj

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