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(回答先: あっしらさん構想「利潤なき経済社会」での疑問点 投稿者 持たざる者 日時 2003 年 5 月 29 日 22:43:21)
持たざる者さん、こんばんわ。
>「利潤なき経済社会」では、ごく簡単にまとめると、ストックは大きな意味を持た
>ず、フロー中心で生きていく経済社会と理解していますが、よろしいでしょうか?
基本的にフロー中心の経済社会です。
言い換えれば、活動力中心の経済社会です。
(活動力は保存できるものではなく発揮するごとに消えていきますからフローそのものです)
ただし、目的を実現するための活動をより楽(効率的)にするために、今で言うストックは重要な役割を持ち続けます。
生産手段も劣化し償却されるものですから、土地や貨幣という消費されない資産とは異なり、消費物(生産的消費物)と考えることができます。
活動の成果物は、食事やサービスなどのようにすぐに消費されてしまうもの、衣服・家電製品・自動車などのように数年間かけて消費されるもの、建物・道路・橋などのように数十年間かけて消費されるもの、生産設備のように消費そのものが目的ではなく生産のために消費されるものに区分できます。(長期間継続的に利用されるものは維持活動も必要になります)
また、ある条件のときに消費するための備蓄も必要ですし、穀物を中心に一定期間保存されるものもあります。
活動の側から見ると、分単位で成果物を供給できるものもあれば、数年かけてやっと成果物を供給できるものもあります。
数日かけたり、数ヶ月かけたり、はたまた数年かけて成果物を供給できる活動に従事する人たちも、生存のために日々消費しなければなりません。
交換過程がない道路や橋などの公共財は、建設及びメンテナンスが税金で賄われることになります。(大規模生産設備も公共財になると考えています)
税金は、自己の活動力を公共のために何がしかを供出することを意味し、それによって、公務員や公共財の建設に従事する人たちの活動力を得ることができます。
年金生活者や就業不能者も、税金を通じて活動力の証を分与されることになります。
「利潤なき経済社会」における貨幣は、資産としての性格をなくし、単なる交換手段となります。
財の交換というのは突き詰めれば労働の交換ということですから、貨幣というより「労働証書」と呼んだほうが的確かもしれません。
>ただ、この場合、逆に、お金を借りたい時はどうなるのかな?と思いました。
>貨幣をストックしてる人が少ないということは、”貸し手”が、ほとんど居ないわけ
>です。
>「利潤なき経済社会」では、実質上、借金できない社会なんでしょうか?
>そうなると、建物や自動車など、フロー収入では買うことが難しいであろう商品の購
>入はどのように行なえばよいのでしょう・・・
制約条件はあるとしても、借金はできると考えています。
借金する相手は、公的部門になります。(決済専門の公有銀行というイメージ)
制約条件は、無利息で借金できるなら多くの人が“先取り”を考えて借金に走ることを防いだり、活動力の総和を超えた購買力の膨張を防ぐことが主眼になります。
(頭金の比率、借金の回数、手数料、利用税、総量規制などが考えられます)
融資の原資は、ある期間使われない「労働証書」である生産手段の償却積み立てになると考えています。(もちろん、現在と同じように「労働証書」供給量を調整して融資の原資にすることもできます)
生産手段は、たとえば10年間かけて償却するので、それが可能になるように供給する財の価格に転嫁されます。そして、メンテナンスは別として、実際に生産手段を買い換えるまで「労働証書」を使うことがありません。
その分が使われないまま金庫に眠っていると供給活動>需要量になるので、無利息の貸し出しで需要を補うという考えです。