現在地 HOME > 掲示板 > 議論12 > 605.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: 購買力平価による計算値では、日本はかなり前からGDP「3」位ですね 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 8 月 15 日 12:54:47)
すみちゃんさん、おはようございます。お返事が遅れてごめんなさい。
ご存知のように、現在、人民元の変動相場制への移行が取り沙汰されています。もし、ドルペッグを止めて変動相場制へ移行したら、公式為替レートで計算した中国のGDPは、相当に膨らむことでしょう。
人民元が切り上がると、一時的には中国の輸出産業が打撃を受け、中国経済の発展速度は「やや」衰えるでしょう。
しかし、人民元が切り上がるということは、他国から商品を安く輸入することもできるわけで、世界最大の人口を抱え、既に食糧輸入国に転じている中国にとっては、好都合な面もあるのです。
中国では現在、内陸部の砂漠化が進み、耕地面積が縮小しています。(やや大袈裟に言えば)先進国の食習慣(豊かな食生活)を受け入れ始めた都市と、その倍以上の人口を抱える農村の食糧を確保するため、中国が世界中の食糧を買い占め、世界中の穀物相場が高騰する事態を予測することも出来ます。一方、世界第2位の人口を擁するインドは、人口抑制策を取っていませんから、将来、食糧確保をめぐる国際紛争が起こるかもしれません。その時、カロリーベースでの食料自給率の低い国(日本など)は、深刻な事態を迎えるかも・・・。
では、人民元が切り上げで、他国の競合業種が救われるのか。これには、難しい課題がいくつもあります。中国以外でも、教育水準の高い安価な労働力を抱えた国は、インドや東欧など幾つもあります。また、ワッセナー・アレンジメントで規制された先端技術分野には、あまり関係ない話でしょう(加盟国以外への輸出には制約が多いので、人民元切り上げの恩恵が少ない)。
中国・人民元を切り上げることで、先進国では、一体、誰が得をするのか。
「実は、製造業ではなく、農業・畜産業だ」というのは、私の勘繰り過ぎ、考え過ぎでしょうか・・・?
ワッセナー・アレンジメント
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/wa/