現在地 HOME > 掲示板 > 議論12 > 355.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: Re: 「阿修羅界のたこさん」化を急げ、日本の研究者たち!世界コミュニティーへガンガン入っていけ! 投稿者 大隈 日時 2003 年 7 月 31 日 11:58:17)
大隈氏の問題意識は理解できますが、「日本の研究者はもう少し世界レベルで貢献すべき」とされる帰結を「短絡的」と申し上げました。「理論経済学」あるいは「理論計量経済学」そのものをアヤシゲとする感覚と、研究の内容ではなく量で測定する手法、そして、個別の研究者ではなく大学を評価する試みのいずれも、「短絡的」とする「感覚」の源泉です。
「西洋の学会が西洋的ものの見方で傾くため、たとえば東洋的な見方の論文が専門誌に取り上げられない」は、感覚的には違います。「東洋的な見方」などで論文は書けません。「西洋的ものの見方」とは申しませんが、論理と論証は人間に共通するものです。もっとも、日本の研究者の場合は、テーマそのものがローカルである例が多いでしょう。
「専門学会誌への登壇回数で、研究者の評価をする仕方は,現行ではどの学問の分野でも一つの標準であり」とされますが、各研究者についてはそのとおりです。業績リストが研究者の就職や昇進に影響します。当然ながら、業績リストを書くのは本人ですから、他人が一方的に「専門誌」の種類を指定してカウントするものではありません。一方、その研究の「評価」を数値化する手法は、論文の引用件数などが試みられています。ページ数で大学の「ランク」をつける手法が「一つの標準」は、寡聞にして知りません。
Yale Univ.が「理論計量経済学」を宣伝しているページにある統計データを基礎に立論されるより、「研究者」の言動でも採り上げていただいた方が生産的ではないですか?たとえば、「東京大学を国内的に神格化しないほうがいいだろう」を論証したいなら(私に言わせるとアタリマエの結論ですが)、この大学の教員のデタラメ発言でもご批判いただいた方がよいと思います(いくらでもあります)。