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【Ddogさんへ、「英霊との接点」において氏が受けとめたリアリティーとは一体何だったのでしょうか。】
http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/474.html
投稿者 如往 日時 2003 年 6 月 23 日 21:40:54:

(回答先: 如往さんへのレス 新人類世代の英霊との接点 投稿者 Ddog 日時 2003 年 6 月 21 日 22:20:52)

 Ddogさん、こんにちは。
 再度、標題の問いかけを発しつつ、私の方は一旦レスポンスを終結させたく思います。


 Ddogさんが天皇擁護論を繰り返せば繰り返すほどそれが何を掘り下げて何を露呈させてしまっているのか、おそらく氏自身も薄々は気が付いているものと推察しています。彼の書記長氏は逸早くそれに気が付かれ忍びなく思われて擁護論を封印されたのではと勝手な想像をしていますが、それでも自家撞着的な部分を払拭できなかったところは、ある種書記長氏に特有の気骨の顕現として許容されるべきものと捉えています。
 反米反帝を掲げる新左翼の間で天皇(擁護)が議論の俎上に余り登って来なかったのは、天皇の系譜がCEOとして奉り上げられることはあってもCOOとして国政をリードした事例は有史以来特筆すべきものが少ないとの見解が支配していたからです。時折、民族派の諸君との間で交わされる議論も専ら日本人の特性に因むもので、西欧の王権の軌跡に対置できるようなものが明確に提示されることはなく、結局は敢えて情念の拠り処に触れずといったところに収まっていったものでした。

 しかしながら、敗戦責任に絡む認識にこそ天皇と国民とのリアルな結節点の創出という契機が潜んでいたのではないかと考えています。今更に仮構を交えて歴史を遡行することに愚挙の感を禁じ得ませんが、国民が自らにたいして、また天皇を含む為政者にたいしても敗戦責任を問うことができなかった事実は、逆にそれまでに天皇と国民との間に豊かでリアルな関係性が構築されて来なかったことの証ではありますまいか。また、白鳥庫吉や津田左右吉による、最終的には天皇の起源とその赤子との結節点を明らかにしようとした日本(人)の固有性に纏わる歴史探訪も今では然程説得力があるものとは思われません。

 事物を対象化する能力を十二分に具えているDdog氏が、事この件に関する検証の状況を得ていないことは一つの不幸であると思います。必ずしも氏が出自に拘泥しているとは思われませんし、しかし同時に出自を超克しようとしているようにも見受けられません。それが、氏らしからぬブレを生じさせ、理論展開上に捩じれを来たしている一因にもなっているのではないでしょうか。対自化のためにはリアルな媒介項の介在が肝要になり、さもなくば少なくとも媒介項を試行した先達に倣い追試を重ねていくことが必要条件になるでしょう。しかし、現状では、街宣車にてvirtualな想い込みの地平を疾駆する諸君達の心象風景と何ら変わりがないものになってしまうのではと危惧しています。
 確か60年安保闘争期には国会議事堂突入の隊列の最前列を占めていたこともあり、その後は戦後の日本を中心に戦前との擦り合せに腐心した西部邁をRightistの中でも別格と見ています。リアリティーにより近接するためにも彼が持つ歴史認識(ハイエクまで)は辿ってみる価値があるのではと思いますが、何れにしてもDdog氏にとってそれ以前の吉本隆明はあまりにも非現実的な存在かも知れません。(但し、歴史家泰郁彦氏のバランス感覚は支持したいと考えています。)
 一方で、一刻も早く、氏が渡部昇一や谷沢栄一等が迷い込んだ、違う意味での空疎な蛸壺論議の領域から超脱されることを祈念しております。

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