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普通はこう考えるのではないかしら
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投稿者 花子さん 日時 2003 年 6 月 17 日 20:27:11:

(回答先: あの政府や通貨システムでも日本はデフレ・スパイラル/信頼できなくても「無い袖は振れない」 [花子さんへ] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 17 日 17:09:57)

 こんにちは、はじめましてあっしらさん。

 私、しばらく山中で特殊訓練を受けなくてはなりませんので、何日かレスできませんの。私の普段のインターネットでの活動の性質上、私はネットカフェ以外のところから投稿できませんから。

>デフレやインフレという物価(通貨価値)変動は、供給物理量と需要貨幣量の増加率の関係で規定されるもので、それは、政府などへの信頼性を超越したものです。

通貨価値が「市中に流通している通貨量」と、「その社会の商品生産能力と商品需要」に規定されるのは当然です。いくら日銀が通貨を発行しても、いくら政府が財政出動をしても、銀行やタンスに眠る通貨量が多ければ景気がよくならないのはもちろんのこと、通貨への信用に変化がなければインフレにもなりません。しかし、そうした膨大な退蔵貨幣は潜在的インフレ圧力としては強力なものだと思います。
「その社会の商品生産能力と商品需要」は大きな規定要因なのですが、単純な「全体的需給関係」が通貨価値に影響を与えないわけではないでしょう。十分な生産力(供給力)があってもインフレ傾向の要因となることもあるでしょう。
全ての商品(サービス)が需要の増加に追いつくペースで生産量や輸入量を増加させられるはずはないし、中には特定特定地域・特定条件の不動産のように限られた量しかないものもあります。そうした商品や不動産の価格上昇が全社会的総生産物(総商品)の生産コストに影響を与えるはずです。
十分な生産力があれば単純な全体的需給関係がハイパーインフレを引き起こすことはないかもしれませんが、インフレ要因にはなりえます。
また、好景気になれば「百円ショップ」とかの「薄利多売事業」は、不動産価格の上昇とより高利潤の投資先の増加によってなくなっていくだろうから、好景気(単純な需要量の増加)はやはりインフレ要因なのです。

>アルゼンチンなどはそうですが、そういう場合には、基本的には国債を中央銀行引受けせざるを得ないだろうという、いま日銀は拒否をしていますが、そこまでいけば引き受けざるを得なくなるでしょうから、そうなると、基本的には日銀が日銀券を刷って財政の赤字を引き受けるという形になって、ハイパーインフレーションになる(奥野教授)

「国債の日銀引き受け」とか「政府紙幣の発行」とかを政府が行うと、通貨が政治的都合によっていくらでも刷られるのだということを社会に公表することになります。それは人々に、「通貨がタダ同然でいくらでも作れるものなら要するに紙切れじゃないか」とか「この国の通貨はいくらでも何の裏打ちもなく刷られて市中に出回るものなのだ」という印象を与えます。
そして人々は、「いずれ我々の保有している通貨は、市中で容易に使われ、容易に手に入るものとなるのだ。」と考えるようになります。つまり、「価値が下がる」と予想されてしまうわけです。
さらに、「いくらでも刷るのだから、通貨の価値は歯止めなく下落する」とか「そういう世間の憶測がひどいインフレを引き起こす可能性が大きくなった」とか、「要するに政府・中央銀行はインフレを起こそうとしているのだ」とか考えるようになれば、銀行のとりつけ騒ぎのように皆で通貨を手放して商品・不動産や債券類に変えようとするようになるでしょう。
そうなれば、ハイパーインフレです。「政府・通貨システム・通貨価値の安定性への信用」がなくなれば、ハイパーインフレになるのです。

単純な話、政府や国民経済が危ういとか外国勢力にのっとられそうだとかと思えば、国民は財産を通貨からモノに変えようとして通貨価値はさがりませんかしら。

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