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(回答先: あっしらさんへ質問 投稿者 アルファンド 日時 2003 年 6 月 07 日 12:26:01)
巌頭の感
悠々たる哉天壌、遼々たる哉古今、五尺の小躯を以て此の大をはからむとす。ホーレイショの哲学、竟に何等のオーソリチーに価するものぞ。万有の真相は唯一言にして悉す。曰く、「不可解」。我この恨を懐て煩悶終に死を決す。既に巌頭に立つに及んで胸中何等の不安あるなし。始めて知る、大なる悲観は大なる楽観に一致するを。
母宛の遺書より
「不幸の罪は、御情の涙と共に流し賜いてよ。18年間の愛情の鴻恩は、寸時に忘れざれども、世界に生きて益なき身の生きてかいなきを悟りたれば、華厳の滝に投じて身を果たす。」
藤村操の自殺は、その原因が哲学的な意味を含んでいただけに、世間の若者、特に学生、生徒には大きな衝撃を与えた。自殺の可否を超えて彼らは藤村に同情しかつ同感した。何故の生何故の死。生死の問題というよりは、人間は何のために生きねばならないのか。生きることがんそれほど価値のあることなのか。漫然と生きていた若者の中には、生きることの意味を知るために、人生そのものの本義を知りたいと思う情熱がわきはじめていたことは事実である。