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現代コリア節,全開!「六カ国協議の行方にとらわれるなッ」
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投稿者 YM 日時 2003 年 8 月 28 日 00:41:58:gOTvopzJQci7w

(回答先: 現代コリア節,全開!「六カ国協議に幻想を抱くなッ」 投稿者 YM 日時 2003 年 8 月 28 日 00:40:40)

現代コリア2003年7・8月号

六カ国協議の行方にとらわれるな
島田洋一(福井県立大学教授)

七月末、北朝鮮は、米ブッシュ政権が主張してきた核問題に関する多国間協議の枠組み(六カ国協議)を受け入れるとの意向を表明した。
バウチャー米国務省報道官によれば、七月三十日、中国の胡錦涛主席からブッシュ大統領にその旨を伝える電話が入り、翌三十一日、ニューヨーク・チャンネル(国連代表部)を通じて、北側から直接連絡があったという。
ブッシュ政権は、多国間協議開催中に、米朝二国間で非公式の接触がある可能性を否定していないが、「二国間合意はありえない」との立場はまったく変えていない。たとえば、ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)は、改めて次のように強調している。
「(一九九四年の米朝枠組み合意において)知っての通り、北はウソをついた。合意文のインクが乾く間もなく、彼らは核兵器を得るもう一つのルート、すなわち高濃縮ウラン・ルートヘと乗り出していた。いうまでもなく、この道をもう一度たどることは意味をなさない。こうした二国間合意に関し、北朝鮮を信用することはできないからだ。(PBS NewsHour,July 30)」

北の核開発中止に関して新たな国際合意を作るとすれば、それは、関係諸国がすべてコミットし、北が合意を破った場合、どの方面からも援助が来なくなるという内容でなければならない、との趣旨である。もっとも、ブッシュ政権内の強硬派(というより現実派。「増えつつある多数派(growing majority)」でもある)は、金正日体制をつぶす以外、核問題の解決はありえないと見ている。
彼らにとっては、多国間協議それ自体は、何ら問題解決の場ではない。できるだけ早く、アレンジ役である中国の顔が露骨につぶれる形で協議が空中分解し、「もはや制裁しかない」という方向につながるのが、ありうる最も望ましいシナリオということになろう。
チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官、ウォルフォウィッツ国防副長官らに近く、国務省きってのハードライナーとされるボルトン米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)が、七月末から八月はじめに掛け、主に北の核・ミサイル輸出問題を協議するため、中韓日を歴訪した。ボルトンはその際、次のような発言を行っている。

「北京の経路(Beijing track─多国間協議のこと)で事を進める一方、二つの補完的な経路をわれわれは追及している。一つは、国連安保理を通じた行動で、もう一つの経路は、「拡散防止構想(Proliferation Security Intiative..PSI)」である。……多国間協議が効果的に進んでいくなら、その分、安保理における行動の必要は減る。もし、一つの経路で進展が阻まれるなら、他の線で進展が得られねばならない。」

PSIの参加国は、現在十一カ国(米・日・英・仏・独・伊・豪・スペイン・ポルトガル・ポーランド・オランダ)で、何より北朝鮮を出入りする船舶・航空機を最大の標的とした臨検・押収機構に持っていくというのが、米側の思惑である。ここでも、ボルトンが米側代表として中心的役割を果たしている。
周辺諸国を集めた六カ国協議、有志によるPSI、国連安保理での制裁論議、舞台はさまざまに整えられてきたが、こうしている間にも、北は核兵器開発を進めている。表舞台の動き、結果に関わりなく、水面下で着実に北を締め上げ、「政体変更(regime change)」を実現するという姿勢が何よりも重要である。

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