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現代コリア2003年7・8月号
六カ国協議に幻想を抱くな
レーダー 北
連日、北朝鮮関連ニュースが報道されている。七月三十一日の朝刊だけでも、「北朝鮮、六カ国協議受諾」「脱化者、タイ日本大使館に十人駆け込み」。
NGO、レインボーブリッジ小坂浩彰事務局長の記者会見で、北朝鮮に拉致された地村、蓮池、曽我三家族の写真と手紙を持ってきたと発表があるという具合である。
しかし、これは金正日政権が崩壊する過程で必然的に発生してきている「生理的現象」のようなものである。
「六カ国協議」の狙い
八月ごろに開催されると予測されているが、金正日政権の狙いは、九四年「米朝枠組み合意」のときの例を見れば分かるように、米国から重油など供給させ、自分は裏で核開発を続けていた。
今回の六者協議も同じ狙いである。金正日が核開発を止め、核兵器を放棄したら、政権維持は不可能だ。北朝鮮は、交渉相手を騙し、いかにして政権の延命を図るかの選択肢しかないのである。
今までと違うことは、金正日にとって、経済破綻は深刻で今回は「時間が敵」と変わっている。交渉が長引けば長引くほど真綿で首を絞められるように窮地に立たされ、内部矛盾が拡大していくだけである。
こちら側の五者内部には盧武鉉を抱えている。それぞれの思惑が異なるため上手く共同歩調をとれるかどうかである。テロ政権を相手に、大量破壊兵器を話し合いで破棄させることが出来ないことは、われわれはクリントン政権時代八年かけて、高い授業料を払って学習させてもらった。こんな会議に仮にも幻想を持ってはならない。
小坂浩彰の分裂策動
今回のレインボーブリッジの写真と手紙事件の主役小坂事務局長を「詐欺師」「ピエロ」と片づけることはできない。あのNGOは、タイヤチップだけで二億円近くを北朝鮮に無償援助しているが、この資金はどこから出ているのであろう。
政府から出ているという話がしきりに流れている。もし、事実だとすると国民の税金で北朝鮮を援助していたことになる。
また、韓国の金大中側近とつながりがあり、資金はそこから出ているという情報もある。
小坂氏は、横田滋被害者家族連絡会会長との付き合いは、四年ほど前からで、年に数回連絡をとっていたと発言した。
この話が事実だとすると小坂氏を軸に、北朝鮮、政府(一部)、横田会長という連絡網ができていたことになる。昨年末から一月下旬までの「横田訪朝問題」は、北朝鮮と日本政府の一部が、小坂氏を使って家族会中枢に手を伸ばして家族会の分裂を仕掛けていたことが今回明らかになった。
家族会と「救う会」、議連はよくも分裂を食い止めたものだと思う。
政権維持に拉致を使うな
しかし、総選挙を控え、拉致を使って、国民からの人気を獲得するため水面下で様々の動きが進んでいる。一部に報道されたように、一つの筋は、森喜郎・中川霧直・文明子ラインである。今一つは、小泉・田中均ラインであるといわれている。
蓮池・地村夫婦の五人の子供を帰すという話は、この二つのラインで話し合われているというものだ。拉致の解決は、一政権の人気取りに使われるようなものではない。
北朝鮮に拉致された日本人生てを奪還する以外ない。いわんや身代金を払って、何人かの帰国を図るなど、例え首相といえど小坂氏と同じように「詐欺師」の呼称はまぬがれなくなる。
それにしても、わが国の(政治家も含め)人々は、あまりにも個人の利益のみに拘りすぎる。公の利益、国益といってもいいが、もっと真面目に考えないと国は空中分解する。拉致をした奴が一番許せない。が、われわれは二十五年間、どうして被拉致者を救出できなかったのか。このことを真面目に考えたら、一派閥の利益のために拉致問題を利用するなど出来るはずがない。
恥というものを知るべきだ。