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悪魔主義者とか悪魔崇拝者とか、日本人にはイマイチピンと来ないことばですが、ひょっとしたら、カート・ボネガットの「はじめに」にあるような『精神病質人格者』のことかもね?
『黙ってオレについてこい、文句がある奴ァ爆撃だ』
マイカ・イアン・ライト著 早川いくを訳 より
(バジリコ株式会社)
はじめに カート・ボネガット
マイカ・イアン・ライトの手になる本書の反戦ポスターは、ケーテ・コルヴィッツ、
ゲオルグ・グロッスなどの作品の精神を思い出させる。
彼らは、生まれたばかりのドイツ民主主義が、「PP」たちによって今まさに息の根を止められんとしていた1920年代に活躍したアーティストだ。
「PP」とは、自分の行動が他人を苦しめていることをはっきりと知りながら、それを全く気にしないという、精神医学で言うところの「精神病質人格者」である。彼らは、頭は切れ、愛想がよく、社交的で、そして良心というものが欠損している。人の心の痛みがわからないのだ。
言語に絶する災難を引き起こしてくれる、そうした魅力的な指導者について書かれ、古典となっている医学教科書が、ハーヴィー・クレックレー著『正気の仮面(The Mask of Sanity)』である。たとえば、企業のトップにいるアメリカの精神病質人格者(PP)は、従業員と投資家を破滅させて私服を肥やすが、それでも自分は白雪のように純粋無垢だと心から信じているだろう。
精神病質人格者(PP)が連邦政府首脳部に近い地位を手に入れたら、その精神病質人格者は、何百万人もの死傷者を出す終わりなき戦争に突き進むことが、米国にとって、断固として必要だと心の底から信じて疑わないのだろう。
決断力が、精神病質人格者にとってはすべてだ。
これは、別な見方をすると我々米国人のライヒスタークが燃えていることを意味している。我々は、今こそ何かしなければならない。
だが、何をすればよいのだろうか?
2002年12月3日 ニューヨーク市にて
(※ライヒスターク:ワイマール共和国の国会議事堂。1933年の放火を機会に、ナチスはワイ マール憲法を事実上、廃止した。)
カート・ボネガット
1922年、インディアナポリス生まれ。ドイツ系アメリカ人。コーネル大学で化学を専攻するが、第二次大戦で召集、カーネーギーテックで軍事訓練を受け、欧州戦線へ。ドイツ最後の大反抗バルジの戦いでドイツ軍捕虜となり、ドレスデンへ移送される。そのドレスデンで連合軍の無差別爆撃を自ら体験するが運良く生き残り、後に『スローターハウス5』として当時の被爆体験を著した。ちなみに、ドレスデンの無差別爆撃は戦後長く国家機密として封印されていた。高性能爆薬、焼夷弾で12万人以上が丸こげになった通常兵器では、史上最大の無差別殺戮である。