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長文ですね(断片だけなら論者のご意見として尊重するのですが、...)
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投稿者 たこ 日時 2003 年 5 月 23 日 14:18:02:KZLCEeqX13raw

(回答先: グローバルアイ  4月号 北朝鮮の核問題が三者協議に移って急浮上「後始末は日本にやらせろ」 投稿者 Ddog 日時 2003 年 5 月 22 日 23:30:32)

断片だけなら異を唱えるに及ばない論旨ですが、最後にトンデモ結論に至る論理的な破綻、あるいはゴマカシが目につきます。論旨を追ってみましょう。(Ddog氏の転載に感謝。)

論者は、いろいろと背景を並べながら(これ自体は賛同できる部分がある)、「北朝鮮の"核" 」が、アメリカにとっても中国にとっても現実の脅威ではないので、アメリカも中国も本気で対処しないと主張しているようである。

このうち、「現実の脅威ではない」の部分は、後の論旨にも関係するから、非常にアイマイな表現で、原文から抽出すると次のような部分である。

「世界はどうみているか。(中略)金正日が発狂したのではないかぎり、北朝鮮が日本に核ミサイルを撃ち込む可能性も、ソウルを"火の海"にするシナリオもありえない。北朝鮮が暴走すると、国連、もしくは米軍から報復をうけ、金王朝はたちまち崩壊する。狡猾な金正日がそんなばかな真似をするわけはないと思っているのである。」

「北朝鮮トラブルは、世界をアメリカ的な価値観のもとで統一しようとするアメリカ帝国主義と、アジアにおいて"中華秩序"の勢力範囲を拡大しようとする軍事大国・中国の対決のなかで生じた「コップに中の嵐」といえなくない。」

いずれも、この論述のごく最初の部分の記述で、北朝鮮の脅威を幻想とすることで、アメリカおよび中国の行動を説明している。そして、論者自身もこの幻想論に賛同しているように見受けられる(少なくとも反論していない)。

論述の中葉は、「イラク」や「冷戦構造」など、これもアメリカおよび中国の行動の理由づけの補強となっている。この論述には賛同できる部分もあるが、論者の本来の論旨と関係なく、うがった見方をすれば、前段の脅威幻想論と論述末尾の北朝鮮脅威論とのギャップを隠すゴマカシに見える。この論者におなじみの日米安保堅持論もあるが、これも今回の論旨では本来の論旨との関係では脇道に過ぎない。

そして、問題の論述最後の段である。「世界一の"性悪国家"」との評価は、論者のご意見として尊重しましょう。しかし、論者は、ここで一転して「日本を脅かしているミサイルや核」と唐突に脅威論を強調している。

仮に、脅威幻想論はアメリカや中国の誤解で、現実には脅威があると論者が考えるなら、それを論証していただきたい。そして、論者が得意の日米安保堅持論に基づくなら、脅威論の論理的帰結は、「(脅威幻想論を誤信している)アメリカを説得して脅威を理解させるべし」でななかろうか。

一方、論者自身も、脅威論をマジメに信じていないなら(前段の論旨からはそのように読める)、その論理的帰結は、「これ以上、後退したら日本に明日はない」などと、趣旨不明の強硬策を提唱することではなく、(北朝鮮の)「放置」ないし「静観」であろう。脅威がなければ、相手にしなければ足りるからである。

もう一点だけ、この論者のトンデモ論述を示しておきたい。やはり、最後の段であるが、「朝銀に一兆円以上の公的資金を注ぎ込んできた。朝銀は使途不明金のほとんどが新潟−平壌を往来する万景号に積み込まれて北朝鮮にわたっている」である。不注意に読めば、「一兆円以上の公的資金」が「万景号に積み込まれて北朝鮮にわたっ」たようにも読める。この表現が意図的でないとしても、(破綻以前の)使途不明金が北朝鮮にわたったことと、(破綻後の)朝銀への公的資金注入はまったく別の問題である。

「使途不明金」で非難されるとすれば、朝銀信組の設立認可と監督に関与した当時の都道府県であろう。破綻が明確になってから投入された預金保険機構などからの資金が北朝鮮に送金されているわけではない。

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