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【エルサレム樋口直樹】イスラエル軍は1日未明、パレスチナ自治区のガザ市に侵攻し、2歳の男児を含むパレスチナ人8人が死亡した。30日には中東和平実現に向け、パレスチナとイスラエルの双方に暴力停止を求める「ロードマップ」(指針)が米欧から提示されたばかり。イスラエルのテルアビブで多数の死傷者を出した同日未明の自爆テロに続き、イスラエル軍が自治区への大規模侵攻を行ったことで、ロードマップの行方に早くも暗雲が広がった。
目撃者によると、戦車と武装ヘリコプターの支援を受けたイスラエル兵が、イスラム原理主義組織ハマスの活動家の家を包囲。兵士らは住人に外へ出るよう呼びかけたが、拒否されたという。イスラエル軍放送は「手配中のハマスのメンバーを逮捕するため家を包囲した」と報じた。軍側も8人が負傷したという。
死亡した男児は自宅の窓際にいて頭に銃弾を受けた。ロイター通信によると、男児を殺された父親は遺体置き場で涙をのみながら「ロードマップが何だ。死んだ息子に聞いてみろ」と語った。
また、イスラエル軍はヨルダン川西岸自治区のヘブロン近くでも、武装パレスチナ人2人を射殺。自治区の各地で手配中のパレスチナ人12人を逮捕した。
パレスチナ自治政府は「イスラエルとの流血の惨事に終止符を打つチャンスを破壊する行為だ」と侵攻を非難。一方、イスラエル側はパレスチナが武装勢力を取り締まらない限り、自分たちのやり方を変えるつもりはないと応酬している。
パレスチナ側は既に、アッバス新首相がロードマップの第1段階(今年5月末まで)で求められている「暴力とテロの放棄」を宣言。過激派対策で実績のあるダハラン治安担当国務相(元ガザ地区保安警察長官)を新内閣に迎え入れた。しかし、イスラエル側は新内閣を歓迎しながらも、「アッバス内閣は行動で評価されるだろう」(シャローム外相)と具体的な成果を求めている。
[毎日新聞5月1日] ( 2003-05-01-21:46 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030502k0000m030108001c.html