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(回答先: アメリカの思いどおりにならなかったこと 投稿者 きゃべ爺 日時 2003 年 4 月 29 日 15:50:54)
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Znetで見つけた記事。イラク戦争におけるブッシュ政権の虚偽情報操作
は、マスメディア情報からも読み取れるが、筆者は19世紀末のアメリカ‐ス
ペイン戦争にまで遡って、アメリカ政府の情報操作を歴史的に暴く。
(TUP翻訳メンバー/井上 維摩)
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『イラク脅威は本物だったのか?』
――マーク・エングラー 2003年4月27日
【原文】
http://www.zmag.org/content/print_article.cfm?itemID=3528§ionID=15
バグダッド陥落以来、国防省タカ派はアメリカ軍の疑問の余地ない優位性の自
賛に余念がない。だが、世界の注目は、見過ごされてきたブッシュの戦争の論
拠である、サダム・フセインが保有しているとされた大量破壊兵器が引き起こ
す危険の真実性に移った。ハンス・ブリックス国連査察官は4月22日に安全保
障理事会に出席し、アメリカの主張を独自に検証する必要性をもっぱら強調した。
サダム・フセインが忌まわしい独裁者であることには、反戦活動家にも異論は
ない。暴君がある程度の化学生物兵器を査察チームの目から隠し持っていた可
能性は十分にあるし、将来、もっと多く製造する意志を持っていたに違いない。
それでも、反戦の中心論拠は妥当性を失っていない――
ブッシュ大統領が断罪しようが、コリン・パウエルが衛星写真を突きつけよう
が、世界の目には、バース党体制が、近隣諸国に対して、ましてや遠く離れた
アメリカに対して現実的な危険を及ぼしていたと信じるに足る理由が見当たら
ない。第一次湾岸戦争の結果、サダムの軍事力は大きく破壊された。その後の
国連査察によって、残る兵器の削減も大きく進展したし、10年にわたる厳しい
制裁期間中に、いかなる隠匿化学物質も実質的に品質が劣化した。
しかも、新規の査察も実施されていた。禁止兵器製造に執着する、サダムの野
望は、国際社会の注目には価したが、200億ドル規模の電撃作戦、その後の海
兵隊による占領、勘定もされない何千もの人命には、とても価しない。ブリッ
クスの査察チームに任務遂行の時間を与えたにしても、ブッシュ政権が敵意を
もって臨んでいたので、大量破壊兵器が真の関心事であったとは考え難く、格
好の戦争の口実であったに過ぎない。
メディア監視団体『報道の公正と真実』が、ニューヨーク・タイムスの「さらにミサ
イル破壊; イラク武装解除努力の複雑化、ワシントン危惧」という見出しの
3月4日付記事を引いて、皮肉な状況を完膚なきまでに捉えている。NBC
ナイト・ニュース特派員、アンドレア・ミッチェルも、「アメリカには悪夢の状
況――イラクがミサイルを破壊すれば、軍事行動への支持獲得が困難に」と追
い討ちをかけた。
ジョージ・ブッシュとトニー・ブレアは、今ふたたび、禁止兵器の動かぬ証拠を
提示する政治的必要性に迫られていて、私たちとしては、審判の時が迫ってい
ると期待してもよい。これまで、軍による探索は何の成果も得ていないが、破
棄された化学物質を知っているとされる、名前を明かされていないイラク人科
学者が軍の案内役として最適任であると報じられている。
世界が軍の主張を疑う理由はまだある。本当の世界安全保障に関心を寄せるア
メリカ国民にも、独立組織による調査を求める世界の声を支持する理由がある。
歴史的にも、アメリカ政府は戦争正当化のために証拠を恣意的にでっち上げて
きた過去がある。報道にしても、政府方針に忠実に追従する場合が余りにも多
い。1898年、キューバ沖でのアメリカ艦メインの沈没事件は、おそらくもっと
も有名な歴史の先例であろう。ハースト系列新聞による扇動が功を奏して、
マッキンレー大統領は謎の事故の責任をスペインに押し付けることに成功し、
アメリカ‐スペイン戦争で帝国主義的利権を追求した。
1964年の詐欺的なトンキン湾事件では、北ベトナム哨戒用魚雷艇がアメリカ駆
逐艦をいわれなく攻撃したとジョンソン大統領が声明し、アメリカによる北ベ
トナム空爆開始の口実を与えた。(だが1965年には、ジョンソンは「私が知る
限り、我が国海軍はあの海域でクジラを撃っていた」と認めた)
1991年の湾岸戦争に先立ち、先のブッシュ政権は、イラク兵たちがクウェート
の病院で新生児を保育器から引きずり出しているとする報告を既成事実化し
た。どうして、残虐な悪行の長い歴史を有する体制について作り話を重ねる必
要があるのかは、まったく誰にも分からない。結局、これは広告宣伝会社ヒル
&ノートンの手を借りた捏造であることが判明した。
この度の紛争期間中のアメリカ政府の通信簿の誠実さ評価は貧弱である。アメ
リカの情報源は、侵略支持を強化する目的で、偽造文書を誇大宣伝した。最近
のインタビューで、ハンス・ブリックスはイラクが中央アフリカのニジェール
から核物質を購入することを企てたという論難を例に挙げた。「これは真っ赤
な嘘でした」とブリックスは明言した。「全部、嘘です。情報はアメリカ情報
機関から国際原子力機関にもたらされました。移動式研究装置については、ア
メリカ人からアメリカに伝えられた資料を確認しますと、農業用種子の処理と
管理に従事するトラックを何台か見つけただけです」
このように厄介な事例があるにもかかわらず、フォックス・ニュースなどの番
組は違法兵器疑惑を確定した事実として扱った。連中にかかると、「アメリカ
の
査察団、イラク軍需工場で違法兵器発見せず」という、4月16日付けニュー
ヨーク・タイムス見出しなどは、新聞が、言語同断な弱虫で、怠惰な共産主義
シ
ンパであることを示す証拠に過ぎないとされる。
それにしても、「イラク軍、化学兵器実戦配備」など、フォックスのこれまで
のニュース・タイトルは、今では勇み足であることが分かっているし、よく
言っても、戦争の正当化である。連中の言い分では、ブッシュの「比類なく邪
悪な」敵は、自
らを排除しようと躍起になっている軍勢に直面しながら、禁止兵器を実戦使用
しないというほどの比類ない自制心を持っていることになる。
政府機関が流す作為と虚偽情報は情報部門内部にさえも疑心暗鬼を呼び起こし
てしまった。最近、AFP通信が配信したインタビューで、隠退したCIA情
報分析官レイ・マクガバンが、「大量破壊兵器をでっち上げなければならない
というのに、私の同僚には本当に見つかると信じている者も幾人かいる」と言う。
「確かに私もいくらかは見つかると信じている」と、彼は述べた。「それにし
ても過大に見積もっても、アメリカにとっても、多国にとっても、脅威と名指
されるものではない」
独立組織による調査を拒否するブッシュ政権の方針は、危険な単独行動主義へ
の道をさらに一歩進むことになる。現実的な世界安全保障の追求のためには欠
かせない国際間の協力と善意の促進そのものを、ワシントンの主戦論が損なっ
ている。
観点をアメリカの外交益という狭い分野に絞っても、アメリカ政府は、イラク
政権告発を正当化し、尾を引く疑惑を解消するために、独立組織による査察を
望むべきである。
古くからの格言に学ばないならば、またもや真実が戦争の犠牲になる。
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(翻訳: 井上 維摩/TUP)
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